長崎皿うどん とは?
初めて長崎で皿うどんを食べたのは確か昭和38年の夏だった。今よりすべての面に於いてユルい時代で、父親が長崎に出張に行くのに家族でついて行ったのである。その時の旅館の昼食が長崎市内の有名店から取り寄せた皿うどんで、それは豪華な伊万里焼の大皿に家族4人前が一緒に盛られ、こしのある太麺が海鮮などの具とともにソース味風に炒められていた。当時、他の町で食べる焼きそばと云えばキャベツにせいぜいこま切れの肉がちょぼちょぼの時代だったから、この皿うどんを食べた時には世の中にはなんとうまい麺があるのだろうかと感激したのである。
その後東京でも、ちょぼちょぼ長崎料理の店を見かける様になったものの、昔は皿うどんといえばどれもチリチリに揚げた細い麺の上にアンカケの野菜が乗っていて、勇んで注文しては本場長崎との違いにがっかりしていた。そこで20年ほど前に長崎に出かけた際にタクシーの運転手に「太麺で揚げておらず、アンカケなしのソース味風の皿うどんのお店はある?」と聞いて連れて行ってもらった事がある。その店はたしか中華街に程近いごく普通の町の食堂で、10人も座れば一杯という広さだったが、さすが地元タクシーの推奨店だけあって久しぶりのソース味風味の炒めそばを堪能したものだった。
今回、コスタ・ビクトリアのクルーズで久方ぶりに長崎に行く事ができたので、叶う事ならあの太麺の皿うどんが食べたいものだと思ったが、20年前に行った店はどこなのか皆目見当がつかない。仕方なくあまり観光地ずれしていない地元の中華料理屋を選んで、飛び込みで注文した太麺の皿うどんがこれ(写真上)。何でもよその店では味を出す為にちょっと砂糖加えるが、ここでは一切砂糖を入れずにうまみを出しているとこだわりの皿うどんの様でアンカケではない。しかしソースは一切入れていないとの事で、それはそれでとても美味かったが、子供の頃に食べた皿うどんや20年前にタクシーに連れてきてもらったソース味は一体どこに行けばありつけるのだろうか?
長崎出身(但し近郊)の会社の人に聞くと「皿うどんは揚げてあるチリチリの細めんか、そうじゃない太麺しか区別はない、どちらもアンカケをかけてソースは好みで人それぞれテーブル上のをかける」だそうで、かつて食べたアンカケのない炒めソバなどは聞かないと云うので、どうも何が本当の長崎の皿うどんなのか私の中では混乱してくる。という事で実は何が真実か、にわかに確かめたくなって虎ノ門に以前からある皿うどんの店に入り、昨日は太い麺の”炒麺”を食べ、今日は”皿うどん”(太麺)を(写真下)トライすると、炒麺はアンカケがのり、皿うどんはアンカケなしとやっぱり長崎人の説とも真っ向から違う。まあラーメンなども何が正しいのか、今やあまりにも種類が多いから、皿うどんもいろいろバリエーションがあって良いのか、と納得する様なしないような変な気分である。
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こんばんは、私も同じ船にのっておりました。母が88歳なので余り歩きたくないというので、クルーズを選び、できたら東京発着のものをさがしていましたが、偶然コスタの宣伝をみつけ申し込みました、結構楽しめましたが、今思うともう少しいろいろと楽しめたのにと残念におもっております。また、次回があったら、こんどは、計画的に楽しもうとおもっております。なにかいい情報がありましたら、アップしていただけるとうれしいです、それでは、お元気で、
投稿: 小川 | 2013年5月15日 (水) 23時59分
小川さん
コメントありがとうございます。
部屋ごと移動するクルーズ船は、ご高齢の方と一緒に旅行できるのがメリットですね。もっと色々なクルーズ船が日本に来て、様々な旅を提供して欲しいと思っています。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2013年5月16日 (木) 20時48分
どちらも焼きチャンポンだね。あんかけがあってこそ長崎皿うどん。長崎市民はソースをかけてたべるのが好き。よその人はマスタードとか酢。
投稿: 国人 | 2013年5月20日 (月) 16時10分
国人さん
アドバイスありがとうございます。やはり会社の長崎出身者が言うとおりアンカケなのですね。私もソースのほかに酢を少しかけてしまいます。
長崎県は美味しいものが多くてうらやましいです。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2013年5月20日 (月) 19時37分