JR時刻表50年
JR時刻表4月号は、その前身である「全国観光時刻表」創刊から50年・通巻600号に当たり、それを記念して創刊時(昭和38年)の全国路線図や東海道線時刻表(一部)が掲載されている。当時の鉄道路線図を見ると現在は廃線になっているローカル線が多数ある一方、大都市近郊ではまだ開業していない路線や駅もあって「そうか、あの頃はこんなだったのか」と往時が懐かしい。特に新幹線開業が1年半後に迫った東海道本線東京駅の時刻表を見ると、鉄道全盛期の活気ある情景が目に浮かんできて、心は一挙に鉄道少年だった頃にタイムトリップする。
これによると昭和38年4月の東京駅の夕方は正に優等列車のゴールデンタイム、子供達が羨望のまなざしで見ていた数々の列車が発車している事が判る。まず15時50分に大垣行きの153系準急「東海3号」が出ると、16時にそのスタイルや設備が人気だった157系の準急「湘南日光」、その後151系こだま型の大阪行き特急「第2つばめ」と、同じく名古屋行き特急「おおとり」が続き、姫路行きの不定期急行「はりま」も出発する。当時は広島まで電化が完成していたので電車急行が東海道・山陽を長駆往復したのだが、急行のリクライニングもないボックスシート2等車(グリーン車がなく1.2等車だった)で皆よく我慢して長距離の移動をしたものだ。
九州行き寝台特急の発車は、まず16時35分の20系客車の長崎行き「さくら」、その後に在来客車による18時20分熊本行き「みずほ」、そして18時30分に白眉の博多行き「あさかぜ」で、牽引機のEF58を先頭に、14・15番線ホーム両側に寝台列車が並んだ姿は何とも華やかなものだった。寝台特急が東京駅に入線する時には、食堂車のボーイやウエイトレスがホームに向けて一斉にお辞儀をしていて、それを見ていつの日かあの食堂車の客になってみたいものだと子供心に憧れた事を時刻表を眺めると思い出す。その頃は列車の写真を撮影していると運転士や機関士が「出発までの間ちょっと運転台に入っていいぞ」とキャブによく入れてくれた事は以前にも書いた通りだが、駅員の許可を貰って線路に立ち入って写真をとったファンも居たと云う。今では考えられない大らかな時代だったと、50年前の時刻表を見ながらグッド・オールド・デイズが懐しい。
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