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2013年3月16日 (土)

ビールは本当はからだにいいんです!

私は生来の疑い深い性質で、特定の食品が健康に良いなどという本をほとんど読んだ事がない。なのでテレビの「ためしてガッテン」などで「○○が何の症状に効く」と放送されると、次の日にその食品がスーパーの棚から消えるという社会現象も冷ややかな目で見つめている方である。遺伝子も環境も全員違う複雑幽玄な人間の体と、無限にある食品の因果関係などはそんなに簡単に判るものではないだろうし、疫学的に有効なデータを揃えるのは膨大な作業が必要で、一朝一夕に答えなど出るものではないと信じているのである。


そんなへそ曲がりの私が、珍しく本屋の店頭で買ってしまったのが、農学博士・戸部廣康著「ビールは、本当は体にいいんです!」(角川SSC新書)。”1日500mlのビールが老化を防ぐ!”という帯に惹かれたのだが、他の「○○が良い」本と何が違うかというと、著者が研究者としてどういう経歴を積んだか、研究をする過程でどういう着眼をしたかが詳しく語られている点である。立てた仮説のうち実験を通してほぼ正しいと確信できた事やうまくいかなかった事などが正直に述べられており、また化学記号や亀の甲なども記載されて科学的な説明と考えられる点が、この種のお手軽本にしては良心的に思えたのであった。


小心な私は、前に消化器科の医師に好きなビールの功罪を効いた事があって、医者が「いや特にビールが消化器に悪いという事はないですね」と言っていたのを幸い、これまで気にせず飲んでいたのだが、最近はさすがに尿酸値が上昇してどうしたものかと思っていたのである。少し量を減らすかなどと悩んでいた処に思いがけず「ビールが体に良い」と云う本を見つけ、まっとうな研究者がホップは抗酸化作用や抗炎症作用が強くアルツハイマーに有効かもしれない、「1日1杯、ビールを飲んで健康に」などと言っていると、何か背中をぐっと押された感じになったのである。しかしその一方で、新書を一冊読んで都合良く安心するとは、「何だ。俺も『ためしてガッテン』を見て、スーパに駆け込む人たちと変わらないじゃないか」と云う気も一方で起こってくるのである。
20130316

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

そうですね、ビールが体に悪いって一体誰が言っていたのでしょうね?適度に嗜めば、こんなに身近なものはないでしょう。これからもビール、ビールを飲んでいる男の姿は格好いいですよ!

MTさん

という事で、安心してビールを飲みましょう。ただ後年、あの研究の結果は間違いだった、という事だけはごめんですね。

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