プラント建設作業
アルジェリアで人質事件が起こりニュースによってその詳細が流されるにつけ、遠い砂漠の真ん中でこんなに多くの日本人がプラント建設に従事している事に驚いた。過酷な環境でインフラを建設するプラント会社・ゼネコン・マリコンなどで働く日本人の汗が、その国の人々の生活向上に貢献するだけでなく、日本の繁栄を支えている事を知り、ニュースを見て改めて彼らの厳しい境遇に思いをはせたのである。
思い出すのは70年代半ばに、研修で日本から南米まで貨物船に乗船した時の事である。ベネズエラのオリノコ川でパイプを荷揚げ中、ボートで数名の日本人が乗船してきたのだが、聞くと彼らは上流のダム工事現場で現地人を指導して働いているのだと言う。珍しく日本のフネが来る事がわかり、是非とも訪船したいとボートで遠路オリノコ川を下ってきたそうで、本船の司厨長の心づくしの日本食を味わい、久しぶりの日本の雑誌やファックスで受信したニュースを読んで喜んでいた。帰り際には日本米をビニールに分けて持たせたが、その時は大変な仕事があるものだと思ったものだった。
また数年前に豪州からクルーズ船のパシフィックドーン号(7万トン)でニューカレドニアやバヌアツを廻った時には、バヌアツの首都ポートビラで岸壁を日本のマリコンが建設しているのを見た。首都と言っても小さな島国の辺鄙な場所、蒸し暑い気候の中で現地の人々を監督しながら港を建設する日本人の姿に感動し、クルーズ船に乗船しているオージーたちに「あそこで港を作っているのはジャパニーズのコンストラクターだぜ」と思わず呟いたのである。
今回のアルジェリアの事件では、安部政権はさっそく政府専用機を差し向けるという時宜を得た対応を見せたが、日の丸を描いた機が離陸するニュースを見るにつけ、遠い異国の砂漠で犠牲になった方々や残る家族に、精一杯の便宜が図られる事を願わずにはいられないのである。
写真はポートビラの港湾建設作業の様子で一番左が日本人の現場監督。
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