溜飲
先の三連休を使って横浜~横浜の「飛鳥Ⅱ冬色Aスタイルクルーズ」に乗船、駿河湾から初春の秀麗な富士山を眺めた後、西麻布のイタリアンレストラン「アルポルト」のオーナーシェフによるディナーや、3Women's Partyの80年代名作ドラマの主題歌シリーズを楽しんだ。「アルポルト」には2度ほど行った事があるが、船上のイタリア料理もお店と変らぬ味で、850名の満船の乗客にアルデンテで供されるスパゲティなどは絶妙の硬さ、ゆっくりと無寄港Aスタイルクルーズを堪能できた。
ただこのクルーズ、乗船前の天気予報で下船の日14日の天気が心配されたため、クルマで横浜港大桟橋まで行かず電車で行こうかと妻に提案したところ、荷物を持って電車に乗るのが面倒だからとハナから却下。「予報ではまだ状況次第で雪の可能性というだけだから・・・、クルマで大丈夫じゃない?」と常に事態を都合の良い方に解釈するのはいつもながらアッパレである。しかし下船の日、飛鳥Ⅱが横浜に到着する頃になると、外はミゾレから雪に変わり、かなり激しく降っているようだ。我が家のクルマは雪道に弱い後輪駆動車のノーマルタイヤ、それもスポーツタイプなので雪などが積もってきたら真っ先に立ち往生するのは目に見えている。
早く帰宅しようと焦り始める私を横目に、脳天気な妻は親しくなった船客に再開の約束を長々としているわ、顔見知りのクルーには誰彼かまわずハグの挨拶するわで一向に下船口に来ない。心残りでグズグズする妻を、最後は「雪が積もるから早く」と引きたてる様に下船口に連れて行き、横殴りの雪の中を都内にドライブして戻る間もなく、あちこちで高速入り口が閉鎖されたとか車がスリップして道を塞いだなどとニュースが流れてくる。きっとあと一時間遅かったら首都高速の上などで止まっていたはずとホッとし、「どうでもいい心配し過ぎじゃないの」といつもニヤニヤしている妻に「ほら見ろ、今回は心配した通りになったじゃないか、心配にも合理的な理由があるのだ」とちょっと溜飲が下がったのである。
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