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2012年10月 6日 (土)

新自由主義の復権

「世界のジョーク集」(中公新書ラクレ・早坂 隆著)と云う本に「ユダヤ人のバー」という小話があった。そのバーは「お代はあなたのお孫さんにツケられます」と云う張り紙があるのでお客たちは慶び、とことん飲んで帰ろうとすると「100ドル頂きます」とマスターが言った。驚いた客が「ツケが利くってそこに書いてあるじゃないか」と抗議するとマスターは「今夜の代金はツケにいたしました。でもあなたのお祖父様の分を払っていただきます」と。これはユダヤ商人のえげつなさを笑ったジョークなのだろうが、ユダヤ人のバーを日本の財政に置き換えると、同じ様なジョークが日本でも流行るのではないか、と薄ら寒く感じたのだった。


私は学者ではないが、実感として日本が世界で最も進んだ社会主義国の一つで格差も少ないと思っていて、「小泉改革が日本に格差をもたらした」と云うのは真っ赤な嘘だと考えている。で、このまま痛みを伴う改革やTPP加入を先送りし、ばらまき行政や拡大一方の社会保障を続ければ、このユダヤ人のバーの様に孫子の代に借金のつけ廻しをする事になると危惧しているのである。という事で中公新書の「新自由主義の復権」=日本経済はなぜ停滞しているのか=(八代尚弘著)を店頭で見つけ購読してみた。サブ・プライムローン問題に代表される新自由主義的な資本主義の危険な面や、世界を巡る過剰流動性の問題に対しては、何らかの対策や規制が必要であろうが、そのマイナス面ばかりを強調して自由な市場競争を批判し、大きな政府が必要であるとする論にはどうにも汲みできない。


考えてみれば今まで役人が仕切っていた事業を開放・自由化した事でどれだけの恩恵を我々が得たかというと、マイナス面よりはるかにプラス面が大きい事に改めて気がつく。電波の規制緩和で携帯電話が普及、郵便行政の自由化による宅配便普及、航空行政の規制緩和による羽田空港国際化など次々に思いつく一方、郵政が民営化されて困った事などは少なくとも私の周りには何もないのである。様々な格差が拡大したなどとあちこちで言われているが、それは人口の高齢化による統計学的な側面であろうし、大学を出ても若者が正社員になれないと騒がれるのも若者のほとんどが大卒の時代ならば当然であろう。因みに東大や京大などいわゆる一流大学を出た学生の就活や正社員率を比べてれば、乱立する大学の卒業生との差はおのずと違うのではないだろうか。


ところで最近受けた健康診断で、コレステロール値が高いと指摘を受け、読んでおく様に配られた冊子には「やはり卵はあまり食べない様に」と書かれている。ところが昨年の検診では「この位は気にする必要ありません」と言われているし、巷に出回る健康本には「卵を少々食べ過ぎてもコレステロール値など変わりません」とあって、真っ向から対立する考え方の中で一体何が正しいのか素人には混乱するばかりである。経済の処方箋も健康診断に似ていて、今ある事象をどう捉えるのか、そもそもその解釈は正しいのか、対策は何かなど立脚する立場によって主張がまったく逆である事に困惑するのである。ただ高齢化社会で福祉だ、医療だ、年金だと政治や行政に期待する事は棚上げにして、自己責任・民間でできる事は民間に・見返りに見合った負担・競争による効率化を追求していく事がやはり必要と「新自由主義の復権」を読んで意を強くした。

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コメント

運動中に喉が渇いても、バテるから飲むな!と言われていたものですが、今はどんどん水分を取りましょうと言われます。
鎌倉幕府はてっきり「いいくに」に開幕したかと思いきや、今の教科書では1195年となっているとか!
大体、好き嫌いが人一倍多い主人が大男なのもおかしいっ!!
あれ、話が違う?

いいね!Yさん

友人の医師によると医者は文科系だ!そうです。巷に溢れる健康本と経済本は、現象に対する対処法に正反対の事が書いてある事もあって、一体どれが本当なのと思ってしまいますよね。ただそれって身体症状も経済も重篤な状態じゃないから言える、つまりまだ日本の経済は、あーだ、こーだ好き勝手な議論ができる健全な証拠なのかもしれません。

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