箱根駅伝予選会と学連選抜チーム
先週末に行われた89回箱根駅伝予選会で、後輩の門出君が関東学連選抜チーム16人の中に選出された。今年の学連選抜は予選会敗退校の中から個人で上位に入った選手を「各校一人」づつ選んだそうだから、昨年の様に予選会のボーダーライン上で落選した学校から強い選手が複数選ばれる事なく、我が後輩も抜擢されたものだろう。もっとも来年お正月に箱根駅伝の本番で走れるのは10人だけだから、本当に彼が走れる様になるかは極めて微妙だが、もし出場できれば箱根路を後輩が走るのは平成18年の亀田君以来という事で、門出君のあと2ヶ月の精進と調整を陰ながら応援したい。
それにしても最近の予選会のレベルアップと、学校を挙げて進出してくる新興大学の強化に押されて母校の予選会の成績が毎年下がるのには、失望を超えてあきらめに近い気持ちを抱くこのごろである。数年前、慶応高校が甲子園大会に春・夏と出場した時、老OBたちが「これでいつ死んでも良い」と涙を流していたが、駅伝もチームとして箱根から遠ざかって19年、いったい私の目が黒いうちに箱根路で新春を迎える時がくるのだろうかと、つい大成した老人の様な事を考えてしまう。しかし少子化でそれぞれ大学の経営方針もどう変るかわからないし、あの人気の巨人戦がテレビで中継されなくなった様に、学校宣伝の場と化した異常な駅伝人気もいつ衰えるかはわからない。かつての様に「新年おめでとう、今年は箱根に応援に来れたね」などと旧友と和気藹々お正月を祝える日がまた来るのかもしれないと、私もはかない望みを抱くのである。
さて今年の学連選抜チームには、しばしば箱根路に登場する学校の選手に加え、東京理科大や東京経済大など駅伝とは縁のなかった学校の選手も選ばれた。選ばれた16人のうち彼らのタイムは相対的に下位の方だから箱根路を走れるかはまだわからないが、普通に勉強に励みながらコツコツ走ってきた「一般の学生選手」には是非とも頑張って欲しいものである。近年、学連選抜チームを出すくらいならその枠を予選会ボーダーラインの学校に配分すべきと一部の学校が声高く唱え、選抜チームの存在意義が問われているそうで、再来年の90回大会には学連選抜は結成されない事が決まっている。しかし学習院出身の川内優輝君が学連選抜チームから巣立っていった事を考えると、一部の特待生とスポーツエリートや学校の宣伝のために駅伝だけに集中するチームが多くなってしまった大会に、一陣の爽やかな風の様な学連選抜チームがあって良いと私は考えている。
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小さい頃、テレビでマラソンを観ているのを見て、何が面白いんだろうと不思議で仕方ありませんでしたが、年齢をおうごとに、駅伝の良さもわかってきた気がします。
でも倒れ込むように泣きながらタスキをつなぐ姿を見るのは、やっぱり苦手です。
投稿: いいね! Y | 2012年10月25日 (木) 23時46分
いいね!Yさん
スポーツとはそれ自体が楽しいからはまるのですが、マスコミのお涙頂戴話や根性物語の様な筋書きつくりはクサクて嫌ですね。
箱根といえば関東学連の1ローカルレースですがこれほど話題を呼ぶのもテレビ中継によるものです。昔のラジオ中継のみに戻ったら我々の母校もまた出られるかもしれませんね。
投稿: バルクキャリアー | 2012年10月26日 (金) 00時16分