懸垂
歳のせいか数年前から左肩がだるく重い。最近は右肩までだるくなるので、このままではまずいと思い、家にあったダンベルを使って筋トレを始めた。筋肉を鍛えれば肩や腕の違和感も軽くなるのではと考えたが、そんな折り、会社の近くの公園にぶら下がるのにちょうど良い高さの鉄棒があるのを見つけ、懸垂をしてみようと思い立った。懸垂なら子供の頃は15回くらいは朝飯前だったから、最初は軽い気持ちで鉄棒に触れてみたのだが・・・・、いざぶら下がってみると、昔と感覚が大違いでびっくりだ。
まず下がるだけで体の重さをずっしりと腕に感じる。「そりゃ体重が倍以上になったのだからしょうがないか」とふと気づくが、この体重を持ち上げられるのかと危惧しながら、「うーん!」と唸って懸垂を始めると、案の定からだが動かない。「おーりゃ!」と掛け声をかけ、かろうじて一回体を押し上げた後、体を下げるともうそこで力つき、とても2回目などできません。おそろしや、懸垂!。で、渾身の力を込め、足をバタバタさせながら2回目にチャレンジするところであえなくギブアップ。いい年のおっさんが、鉄棒をつかんで真っ赤な顔で足をバタバタしているのは、小学生の様で滑稽だろうな、などと人の目をやや気にしつつ、筋力の衰えと体脂肪を恨んだのだった。
以来数ヶ月、例の公園を通るとなぜかムラムラと闘争心が湧いてきて、幾度か懸垂に挑戦する様になる。何回かチャレンジするうちに、子供の頃のコツを思い出してくるから、人間の体というものは不思議なものだ。ポイントはまず最初に鉄棒に取り付く時にダラっとぶら下がらないで、すぐ1回目の懸垂に取り掛かる、体が下がった時も関節にやや余裕をもった状態で止めて、次の回にうつるがミソである。もっとも腕を曲げたまま反動で上昇するのは懸垂では1回と数えられないから、あくまで肘はほぼまっすぐになる点まで下がり、伸びきる一瞬手前で反転するというタイミングが重要である。
そんな具合に昔を思い出しながら懸垂していると、いつの間にか回数が2回から3回と増え、今では5回はできる様になってきたから人間何でもチャレンジしてみるものだ。「よし、この調子ならもうすぐ7回くらいはできるぞ」などと調子にのって思う事もあるが、そのうち頑張りすぎて体のどこかの血管が切れたりとか、無理が出るのもちょっと怖い。おそるおそる、「今日が人生のなかで一番若い日なのだから・・・」と念じながら、遠慮気味に鉄棒にぶら下がる初老のおじさんなのである。
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先日TVを見ていたら、80歳過ぎのお婆さんが毎日家の梁にぶら下がって運動しているのを見ました。軽々やっているので自分も真似したら、思いの何のと、改めて歳を感じた次第です。特に歳を取ると四十肩ではないが、肩が固くなる気がしますね。ともあれ、お婆さんでも出来るので、頑張りましょう。
投稿: MT | 2012年9月21日 (金) 11時35分
MTさん
今日も5回はできたが、それからなかなか回数が増えません。でもあきらめたら終わり。体に無理ない範囲でいつもチャレンジですね。
投稿: バルクキャリアー | 2012年9月21日 (金) 23時39分