ホテル・ハイジ
あまりにも暑い日が続くのでうんざりし、週末は久しぶりに高原に行って涼もうと妻と計画した。高原といえば私の好きなのは蓼科や霧が峰、かつてメキシコオリンピックの高地対策として霧が峰に日本陸上競技連盟のトラックと宿舎ができ、学生時代にはここによく合宿に来て走っていた。以来、日本離れした草原や広々とした景色が好きになって、若い頃には、霧が峰高原やふもとの蓼科温泉をしばしば訪れたものである。冷涼な気候、富士山から南北アルプスなど日本の名だたる山々を一望できる展望、ビーナスラインのドライブと、あたりは避暑地としての快適さを揃えた素晴らしい高原だと思っている。
とは言っても東京から諏訪までは片道200キロ弱、最近は運転して行くのも段々と面倒になって、もう少し東京に近い八ヶ岳付近までしか足を伸ばさなくなり、霧が峰などもしばらくご無沙汰である。しかし今年の残暑による東京脱出願望で気が大きくなり、蓼科高原にある「ホテル・ハイジ」を久しぶりに予約したのだった。で、中央高速を降りビーナスラインを辿りほど近く、蓼科湖を越えると可愛らしいゲートが見えて「ホテル・ハイジ」に到着、スイスのロッジ風フロントにチェックインするといきなり「以前と住所が変わられましたか?」と係の人が尋ねてくる。どうやら名前から過去の宿帳をあらかじめ調べてくれていた様で「はい、最後に来たのはいつでしたっけ?」と聞くと「1986年です」という事で、なんと26年ぶりである。
海抜1250米、かつての東伏見家の別荘地だった所に1975年に建てられたという山小屋風の「ホテル・ハイジ」は、内部が清潔に保たれとても気持ちが良い。前庭に広がる芝生も良く整備され、以前に較べて却って緑がきれいになったのではないかとさえ感じる。嬉しい事に数年前に温泉を引き込み、谷川のせせらぎを聞きながら露天風呂に入れる様にもなった。レストランの素朴なウェイトレスの応対にソースフォンジュを食べれば、26年の歳月は一挙に吹き飛び、懐かしい自分の別荘に帰ってきた気がしてきた。近辺のトレイルも整備されたので山歩きも良いし、蓼科湖の美術館もきれいになった様で、また秋の紅葉の頃に2泊くらいしてみたいと思ったのだった。ただ中央高速の渋滞だけは、毎回の事ながらうんざりで何とかならないものだろうか。
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