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2012年7月24日 (火)

イチローの移籍

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イチローがシアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースにシーズン途中で突然移籍する。アメリカの野球システムの事だからあちらでは珍しくはないだろうが、12年もマリナーズのユニフォームを着て、何らかの形でシアトルに残るものだと考えていたからちょっとびっくりした。そういえば私の米駐在時代の同僚も、シアトル勤務からニューヨークに移れとある日突然会社から辞令が出て、家の事や子供の教育などで大変だったそうで、同じアメリカでも西と東では全然違うと彼がこぼしていた事を思い出した。イチローの家はシアトル郊外のマーサーアイランドにあると云われているので、ニューヨークに移籍したら家族も引っ越すのだろうか、生活はどう変るのだろうかなどと、つい転勤族的な発想で心配してしまう。


イチローがいるのでマリナーズのホーム、セーフコ・フィールドからはNHK衛星放送でよく試合がテレビ中継され、私はそれを見るたびにパシフィック・ノースウエストの抜けるような夏の青空や、キングストリートステーションから聞こえる列車の汽笛の音を懐かしく思い出していたが、彼の移籍でシアトルからの中継も減るのだろうか。今でもアメリカに旅行に行くと、なるべくメジャーリーグ・ベースボール観戦を日程に組み込もうと思っていて、セーフコフィールドでも2002年、2005年に昨年と3回ほどイチローのプレーを観戦したが、ニューヨークに行ってしまうとそう簡単に彼のプレーもナマで見られなくなるのが残念だ。


球場からして町の中心から歩いて行けるセーフコ・フィールドに対して、ヤンキースタジアムは旅行者には便利な場所でもないし、球場内外の雰囲気もかなり異なる。なんといってものんびりと地元のファンが多いシアトルと、大都会で全国版のニューヨークの違いは大きく、ニューヨークでは味方の選手でもボヤボヤしているとブーイングだし、アジア系に対する聞くに堪えない野次なども飛ぶ。できればイチローにはゴーイング・マイ・ウエイでいろいろな記録を伸ばして貰いたいと思うも、ニューヨークでは勝手が違うのではないだろうか。ただシアトルの英雄、ケン・グリフィージュニアが22年間のMLBキャリアの最後の2年、古巣マリナーズに戻って歓迎された様に、彼も最後はシアトルに戻ってプレーするのではないか、などと密かに思っているのである。

写真は昨夏観戦のレッドソックス戦(上)とたそがれのセーフコフィールド(下)

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