万世橋駅復活
中央線快速電車の神田駅とお茶の水駅の間に、草むした古いホームの名残があるのを車窓から見る事ができる。かつて中央線のターミナルであった万世橋駅の遺構である。東京駅と同じく辰野金吾の設計による同駅は1912年に開業、堂々のレンガ造りの駅舎も1919年に東京駅が開業してからは中間駅になり、1923年の関東大震災で駅舎が焼失、戦時中の1943年にとうとう廃止となったそうである。その後は駅の一部が交通博物館として利用されていて、私も子供の頃はよく旧万世橋駅を訪ねていたが、2006年に交通博物館が閉鎖されてからはこの駅の事も忘れがちだった。
その万世橋駅跡を、JR東日本が商業施設として来夏に復活させると云う。ホーム跡にカフェやデッキを整備し、高架下にはテナントが入るそうで、「当時の雰囲気を生かした憩いの場にしたい」と報道されている。万世橋にほど近い神田須田町あたりは、かつて東京の交通の要衝で、都電は須田町を起点にする系統が多数あった事などが懐かしいが、いつの間にか秋葉原や日本橋などに囲まれて都会のポケットの様な一角になっていた。その辺りは2008年11月のブログでアップしたとおりで、旧万世橋駅が再開発される事で往年の賑わいが少し戻ってくるかと楽しみである。
この一角のレトロな雰囲気や老舗の飲食店は、昭和の東京を彷彿とさせてくれて、変な再開発をして欲しくないという思いもひそかにあるものの、旧万世橋駅上にオープンエアのテラスなどが出来れば、神田川を望みつつ中央線の電車が走る景色を見られそうで、東京新名所が増えて欲しいと期待するのである。そういえば今日はイタリアの船舶代理店が来て会談していたが、「東京は本当にきれいで整っている。ローマとは大違いだ」と散々ほめて帰っていった。東京も海外の人から見ると、素晴らしい町に変身している様で嬉しいものだ。
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コメント
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本当に嬉しい復活です。
折角なので、小金井公園(たてもの園)に移転保存されている「万世橋交番」が元の場所(近くでも)に帰ってくるとさらに楽しいのですが・・・
投稿: けんいち | 2012年7月 7日 (土) 22時22分
けんいちさん、
コメントありがとうございます。江戸東京たてもの館を訪問した事がありますが、コメントを見てまた行ってみたいと思いました。万世橋界隈がうまく再開発されると良いですね。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2012年7月 8日 (日) 00時01分