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2012年7月16日 (月)

エアコンをつけつつ考える事

東京理科大学の生涯学習センターで「鐵道」の講義を聞いた際、たまたま講義をされた同大学の化学の教授が分析を専攻されていたので、東北の放射能汚染について教授の知見を伺った事は前回のブログのとおりだ。それによると放射能汚染の危険はヨウ素・キセノン・セシウムの3種類からなり、そのうちヨウ素は半減期が8日なので80日もたつと2の10乗、すなわち1024分の1に濃度が薄まるそうだ。キセノンは大気に拡散してしまうし、セシウムは半減期が27年なのでそれだけ日々出る放射線は少ないと云う。ただし土壌に残る可能性があるので食品は検査する必要があるけれど、食品は検査体制が整ったし、旅行者がいたずらに放射能を不安がる必要はないと言う趣旨であった。


今回の原発事故に関する放射能汚染については、いい加減なメディアや評論家・学者などの不安を煽る報道が相次ぎ、国民を重畳の不安に陥れているが、教授は放射能の専門家ではないものの、分析を専門とする立場からは、東北に旅行する事やそこで食べる食品については何の問題もないとの事である。昨年来、わが家では「がんばれ福島」という事で、わざわざ福島産の米を通信販売で買っているので、私は教授の説明を聞いて「ほれ!」と納得したのである。そういえば福島県から東京に来ている知人は「実家からおいしい米をいつも送ってきてるけど、検査後で問題ないのに福島産が売れないとは本当に困ったものだ」と憤慨していたが、それだけ皆が風評に左右され易いという事なのだろう。


大体、一国のリーダたるべき前首相が福島の事故に狼狽して、法律に立脚せず何の根拠もなく日本全国の原発を次々止めてしまったのには驚いた。しかたなく電力は化石燃料や天然ガスで補う事になって、貿易収支が一挙に悪化したが、経常収支がマイナスに転じれば国債の信任、ひいては金利の上昇やハイパーインフレにもつながると云う事を彼はどう考えていたのだろうか。電力料金が値上がりすれば、電量消費型の製造業は海外に逃避、すでに精錬会社などは国外で事業展開しているに、これ以上産業が空洞化して雇用の機会が減る事をどう考えるのだろうか。化石燃料が増える事による環境対策は一体どう説明するのか。海外の資源は無限にあると考えているのだろうか?


風力や地熱などの自然エネルギーについては、直ちに実効性や経済合理性が見出せない現在、脱原子力という方向性を決めたとしても、電力の問題は最低10年、普通なら20年30年のスパンで考えるものではないだろうか。その間に原発の防災対策を強化しつつ、日本の人口動態や産業構造、代替エネルギーの確保・開発を急ぐ事と相俟って検討しなければならないはずであろう。まさに今回の震災をきっかけに国民的に考え直す問題で、すべての原発を直ちにやめろと叫ぶ事はあまりに無責任に感じるのである。人間にとってアンコントラルーブルな要素をもつ原発に依存する事を見直す事は、私も良いと考えるもののもう少し冷静な議論が欲しいところである。その点、野田総理はぶれずに、一国のリーダーとしての電力確保の責任を果たしており、民主党にもまともな人がいたのかと、ちょっと安堵している。

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