シジュウカラ
神奈川県から、故郷の東京都に戻って8年になる。交通は便利な上、高層ビルが建ち、町が再開発され、新しい地下鉄が開通したりと、東京も随分変わったが、時々無性に郊外の生活がなつかしくなる。そういえば都心を少し離れると緑の量も増え、この時期は目にも青葉が美しく吹きぬける風も爽やかだった。連休の頃にはどころどころ残る農家の庭先に、大きなコイノボリが泳ぎ、季節を感じさせてくれるのも良かったなどと思い出す。
通勤時間は都内に住むようになって大幅に短くなった一方、帰りの電車で日刊ゲンダイを読んだり、うとうとして気分転換したりという事がなくなり、オンとオフの切り替えつきにくいのも事実である。最寄の路線や駅は、郊外なら「我が電車、わが駅」と思うが、地下鉄だと「皆の通り道」「皆の駅」という感じでホームタウンとはあまり感じられない。
特に寂しいのが、都心は鳥の声が少ないという事で、かつては東京にたくさんいたオナガの、”ギューイ、ギューイ”という啼き声も最近はトンと聞かない。郊外にいた時はシジュウカラの”ツイッピー、ツイッピー”というさえずりでよく目がさめたもので、休日の朝などにこの啼き声で目覚めると、「ああ~、休みだ~」などとあくびも気持ち良かった。
などと思っていたら、先日自宅の近所で”ツイッピー、ツイッピー”とシジュウカラの声が聞こえる。なんでもこの鳥は石垣や民家の隙間などにも住めるそうで、果実や種子、昆虫などを餌にする雑食だという。最近の自然保護で、東京の川もきれいになってきたというし、都心でも昆虫などが増えてシジュウカラが住みやすくなったのかと、ちょっと嬉しかった。
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