ペンギン騒動
葛西臨海公園の水族館から逃げ出したフンボルト・ペンギンが、82日ぶりに捕獲され無事に水族館に戻ったと報じられている。東京湾は天敵のサメやアザラシがおらず最近は餌となる魚も多くなった一方、船のスクリューに巻き込まれたり、夜間に休んでいる間にのら猫などに襲われる危険性もあったと云うだけに、無事に保護されて一安心である。それにしてもペンギンは相当な大食漢だし、普通は寒流の海に住んでいるそうで、今回の脱走劇やその後の目撃情報などのニュースを見て、このペンギンがどうなっているのか心配していた。
ペンギンは主に南半球に住んでおり、早朝に海に入り日中は海中で漁を行い、夕方は巣のある浜辺に引き帰してくるのだが、帰巣の際に集団で上陸してくる姿が珍しく、野生のペンギンの営巣地に観光に行った事がある。オーストラリアのメルボルンから200キロほど離れたフィリップ・アイランドは、小型のリトルペンギンが夕方になると海の漁から隊列をなして帰ってくる姿が愛らしく、ペンギンパレードとして観光のアトラクションになっている。20数年ほど前、出張のついでにメルボルンでレンタカーを借りて、フィリップアイランドのペンギンパレードを見に行ったが、その時はペンギンよりも観光の人の方が多くて面食らった事を思い出した。
そういえば、あの頃はパソコンもなければ携帯電話もなかったから、国内・海外を問わず出張で会社のドアを出れば晴れて自由の身、アポイントや商談の時間さえ守れば、何をしていようと会社には分からないし、報告も出来なかった。あいた時間を使って会社の金で随分あちこち見聞を広めたものだった、などとペンギンのニュースを見ながら昔の事を思い出した。昨年の飛鳥Ⅱのワールドクルーズの際は、南アフリカのケープタウン郊外で野生のペンギンを見るツアーに参加し、久しぶりにペンギンが群れ住んでいる場所を訪れたのが懐かしい。南アのケープ・ペンギンは東京で脱走したフンボルト・ペンギンと同じ属だそうで、暖流と寒流が混じる喜望峰沖の荒々しい海に比べて、温暖な東京湾が脱走ペンギンにとって住み易かったのかなあ、などとニュースを見ながら南半球を思い出した。
妻の乗船記:2011年4月26日「ケープタウン」
ケープタウン近郊ボルダーズビーチのペンギン
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