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2012年4月27日 (金)

後から見てみれば

小沢一郎に無罪判決が下った。別に彼が有罪になろうと無罪であろうと一向に構わないが、これで税と社会保障の一体改革論議が遅れ、消費税をアップするという政権の先行きに暗雲が漂ってきた。もちろん小沢が言うように消費税アップが避けられるのなら、すべてバンバンザイだが、事態はそんな悠長なものではないはずだ。そもそも「消費税アップをする前にやる事がある」と小沢が言うなら、民主党が政権を執って2年半以上、もうとっくにやってなければならないはずだが、「無駄を廃して予算を組み替える」という公約で何もできなかったのと同様、「やる事がある」などとこの期に言われても何も期待はできない。


なにしろこの小沢一郎なる人物、かつて「消費税は10%に」とか「開かれた国に」「日本は普通の国にする」などと公言していたはずだが、情勢が変わる度にころころと言う事が変わる。今や「消費税増税反対」に「TPP反対」、「普通の国」のはずが中国に徒党を組んで行って「朝貢外交」をする有様だからまったくやる事が正反対である。次々に政党を作ってはつぶし仲間を裏切ってきた歴史も、信念よりも人気とか票集めが主眼で、オポチュニストかつポピュリストの面目躍如というべきだろう。


そんな小沢が無罪判決で力を得て、ぞろ人気取りで「消費増税反対」「TPP反対」と攻勢を強め、政局は一挙に混乱するのだろうが、これで却って民主党政権の崩壊が早まる期待が高まってきた。野田首相になって以来、民主党政権となって初めて少しまともな内閣ができたと思っていたが、こうなれば野田政権と自民党が手を組んで小沢派を追い落とす事が実現するかもしれない。そう云う事態となると早晩に解散・総選挙となって、やっとわが国も民主党政権というくびきから解放される日が近くなったと考えられ、小沢一郎の無罪判決は、結局わが国に喜ばしい事だったと後世から評価される事だろう。

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