ロングクルーズにはまる理由
週末は飛鳥Ⅱの東京・横浜ワンナイトクルーズに乗船した。昨年のワールドクルーズ中に毎日通った船内ダンス教室だったが、下船して8ヶ月たつとステップもかなり忘却の彼方。ワールドのフル乗船者がもらえるクーポンの有効期限も1年かぎりと云う事で、船上で知り合った船友ご夫妻たちとダンスの復習でもしようかと乗船を決めたのであった。このクルーズは東京出航が午後5時・横浜到着が翌朝10時と、普段のワンナイト・クルーズよりちょっと長めなのも選択した理由の一つである。
先週の金曜の午後は勤務先に休暇をとり、急く気持ちで晴海埠頭に到着すると、馴染みになった飛鳥Ⅱの白い船体が春の日差しに映えて美しい。さっそく乗船手続きのカウンターに並ぶと、顔を知ったクルーがそこかしこから次々と「お帰りなさいませ」と笑顔で声をかけてくる。営業用とはいえこんなに歓待してくれるとこちらも心が弾んでくるというものだ。スッチーが乗客名簿片手に上級会員に「○○様、毎度ご利用ありがとうございます」などと、ルーティンで笑顔を振りまく飛行機のビジネスクラスよりも、こちらの方がよほど自尊心をくすぐられそうだと思わずにんまりしてしまう我があさましさ。
一歩船内に踏み入れると日本人クルーだけでなく、あちこちで待機している顔見知りのフィリピンや東欧のクルーたちが、「あら!?」と云う顔をして、「お帰りなさい」「お久しぶり」と満面の笑みを送ってくれる。あろうことか「○○さま~」と名前まで呼んでくれるフィリピンクルーもいるのだが、彼らが毎航海前にリピーターの名前を予習しているはずもなく、そのホスピタリティーと記憶の良さは感動ものである。それにしても「今回もデッキでジョギングするの?」など聞いてくるクルーもいるとなると、あのワールドクルーズでは余程目立った事をしていたのかと、こちらが却って気恥ずかしくなるくらいである。
休暇で故国に帰っているクルーも多いだろうが、それでも半数くらいは顔見知りで、こちらもだんだん「マガンダン・ハポン」などとタガログ語が滑らかに口をついて出てくる頃には、クルーズ船に乗船したというより「以前住んだ場所に帰って来た」気分になってくるから不思議なものだ。3ヵ月半部屋を掃除してくれたメイドと再会し、休暇の間に結婚した彼女の結婚式の写真を見せてもらったりすると、「ワールドクルーズ」で乗り合わせるという事はやはり”人生の特別な事”だったか、という感慨が湧いてきた。以前は、この船で200泊も300泊もクルーズするのは、よほど物好きな金持ちかと思っていたが、こういうように再会を歓待されると、ロング・クルーズにハマってしまう人の気持ちがわかる気になったのであった。
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TVでクイーンエリザベスの英国1周クルーズの番組を見ました。車の運転リスクもなく、ゆったり海から内陸に入る旅もいいものですね。ロングとは行きませんが、ショートクルーズぐらい、一度試してみたいものです。これからも世界を船で旅して下さい。
投稿: MT | 2012年3月20日 (火) 17時38分
MTさん
今度はショートクルーズをご一緒しませんか?あるいは外国船も良いですよ。
投稿: バルクキャリアー | 2012年3月20日 (火) 22時28分