七草がゆ
新年は三日ほど会社へ行ってまた三連休である。自営業の時は正月明けに休みが多すぎる等と思っていたが、安定して月給を貰えるサラリーマンの身に戻ると、早々に嬉しい三連休と思えるから、自分も随分と現金なものだ。で、連休の初日に寝巻きのまま寝ぼけ眼で起きてくると、台所で妻が何やら甲斐甲斐しく調理をしている。何をしているのかと思っていたら、朝食のテーブルに出てきたのが「七草がゆ」であった。普段は朝まるで弱い彼女だが、節目毎のイベントには俄然張り切る「お祭りオンナ」の面目躍如である。
そういえば子供の頃”セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、これぞ春の七草”と覚えさせられたが、七草がゆは中国伝来の風習に加え、歳の初めに若菜を食べて一年の無病息災を祈る平安時代から定着した料理なのだそうだ。ちょうどこの時期、お正月の飲み食いで疲れた胃腸の回復に、お粥を食べてお腹を休めるのも先人の知恵だと言われている。たしかに昔は「盆と正月が一度に来た」と云う言葉が幸せのシンボルで使われた様に、お正月は人々にとって年に一度の大イベント、この後に簡素な食事で胃腸を整える意義は大きかったと想像できる。
考えてみると、私も最近は昼の会食がほとんどなくなり、昼にアルコールを飲む事もめっきり少なくなったのだが、この時期は「お正月だから昼からちょっと飲んで良いか」とつい油断して明るい中から飲んでしまう事も多い。そんな折、今年もがんばって週に1~2回は必ず禁酒日を設けようなどと殊勝な一年の計を考えつつ、妻のつくった「七草がゆ」を食べたのであった。数えてみると昨年は禁酒日が70日程だったが、今年はそれをもう少し増やそうか、いや我慢する方が却ってストレスか、などといつもながらに逡巡する正月明けである。
« クアイ川 | トップページ | ふるさと祭り東京 »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- 神田神保町の老舗ビヤホール「ランチョン」(2023.04.23)
- 烏森の焼鳥「ほさか」とニイハオ・トイレ(2021.02.11)
- 銀座 LA BETTOLA(ラ・ベットラ)の夜(2020.09.07)
- 米国産マツタケ(2019.11.23)
- 町の中華料理屋3(2019.06.23)
« クアイ川 | トップページ | ふるさと祭り東京 »
コメント