めはり寿司
昔は今と違ってコンビニ弁当などなかったから、外で買うお弁当といったら駅弁しかなかった。東海道線に乗ったら小田原の鯛めし、上越線なら高崎のだるま弁当、信越線では横川の釜飯とひたすら空腹を我慢し、列車が駅に着くと同時に弁当の売り子めがけてホームをダッシュした事が懐かしい。旅の原点とも云えるそんな駅弁だが、最近は東京でもデパートの客寄せの目玉として「駅弁大会」などが開催されて気軽に日本全国の駅弁が楽しめる。
そんな中、妻が新宿に用があると云うので、47年の伝統を誇る「新宿京王デパート」の「元祖有名駅弁大会と全国うまいもの大会」に行って、有名駅弁を買って来るという。妻は前日デパートのちらしカタログを見ながら、あれにしようかこれにしようか迷いに迷っているので、「それなら久しぶりに、南紀・新宮の”めはり寿司”を買ってきて」と頼む事にした。めはり寿司は紀南地方の農家が、農作業で忙しい中、酢飯などを使わず高菜の葉で握ったすしで、2~3個でお腹一杯になるように大きく握ったために、口を空けて目を見開いて食べた事が名前の由来だそうだ。
大学時代に紀勢線のディーゼルカーの中で食べて以来40年ぶりのめはり寿司だが、弁当の原点「おにぎり弁当」にも似た素朴な形と味わい、かつ1000円以上の駅弁が多い中630円と値段も安く、これぞ元祖日本の有名駅弁だと堪能した。妻は大いに迷った挙句、同じ新宮で行くべしと「くじら釜飯」、紀勢線ついでに松阪駅名物・牛肉の「モー太郎弁当」もおまけに買ってしまえと、一挙に計3個の駅弁が夕食の食卓に上ったのであった。
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