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2011年11月 5日 (土)

対岸の火事か?

ギリシャの財政破綻によりEUが連日の大騒ぎである。私はヨーロッパの事情に疎いので良くこの問題を知らないのだが、通貨が域内でユーロに統一されれば、各国で金融政策が取れないからマネーサプライや政策金利を通じた経済のコントロールができない上、為替による通貨価値の調整が効かない事になる。一方財政は各国の恣意にいまだ任されている部分が大きいそうだから、ギリシャの様な借金漬けで脱税がまかり通る様な国が幾つか域内に存在することになるのだろう。そんな破綻した国がいよいよ借金を返せなくなった時、財政規律を保ち勤勉に貯蓄や納税をする国家の人々が、借金の棒引きについてどう処理するか、もめているのが今回の大騒ぎの源のようだ。


ギリシャに続き借金大国イタリアがIMFの監視を要請し、今回のG20でも各国の財政再建が主要テーマになっていると報じられている。ギリシャの問題が解決できなければ、イタリアに続きスペインなどでも同じ騒ぎが起こり、これらの国の国債や債権を抱える欧州の金融界には、リーマンショック以上の激震が襲うのではないか、と人々が戦々恐慌しているらしい。リーマンショックの時にも分かった事だが、今や各種金融商品に様々な債権が組み込まれているから、EUの国家が次々と破綻してデフォルトを起こせばその影響は想像を超えて広がり、世界大恐慌の再来も起こりえると云う専門家もいる様だ。

これは対岸の火事などではない、と私はこの問題に注視したい。問題となっているギリシャや南欧の国より、国家の借金という点では日本の方がはるかに巨額だからである。日本の場合は国債が国内の投資家に引き受けられているから事情が違うという評論も多いが、実態を超えて世界中を動き回る資金は、次にどこを何をターゲットにするのかまったく読めないのではないか。今回の円高でも感じた事だが、何が日本買いのきっかけになるかも不明ならば、買われたものがいつどんな動機で放出されるかも判らない世の中になっている。


野田首相は国際公約と云う形でG20で消費税の10%までのアップを発表したが、世界に対する公約と云う外圧を利用してでも速やかに消費税アップをし、財政再建を打ち出さないと、略奪的な経済はいつか日本を襲いかねないと、私は危惧するのである。農家の戸別補償などのばらまき政治を撤回し、TPPに速やかに加盟して雇用の拡大と経済の活性化や税収のアップを図らねば、日本は衰退するのみであろう。すでに起きているニッポンパッシングで済めばまだ良いが、ほっておけば国債のデフォルト、国家破綻という道さえ辿りかねないシナリオが日本にもある事を、経済の素人ながらギリシャ問題の報道を見る度に想起してしまうのである。
落ち目になると早いぞ~。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

その通り、落ち目になると早いですからね。日本も遅かれデフォルトになるのではないでしょうか。団塊の世代が国債を手放す時が危ないですね。毎回の発行は自転車操業なので、これが止まり逆回転が始まる時ですね。それにしても消費税、法人税が半分になるとか、相続税が無くなるとか、いつもこれだけ出て来るから違和感があります。外圧を使うなんてとんでもないですね、困ったものですね。

GDPからすれば僅か数%の既得権を持つ人達の安泰の為に、国が滅びても良いと言わんばかりのTPP反対派。世界の過剰流動性やファンドマネー、略奪的な経済を甘く見るエセ保守。ここで後退したら、我々も日本を見捨てたくなりますね。進歩なき所には敗北あるのみでしょう。

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