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2011年10月 8日 (土)

いいから早くやってくれ!

会社員に戻って以前の様に自由に床屋に行く事ができなくなった。昨日は会社を終えて友人と待ち合わせの間、一時間弱だけ時間が空いたので、いつもの床屋に駆け込むと、あいにく連休前で満員である。その床屋はおよそ旧式の店内だが、おばちゃん3人でやっていて、黙って座ってもきっちり仕事をしてくれる上、料金が2500円と安くて手際良い。しかし時間がない社会人となったからには仕方ない、その近所に新しく出来た小ぎれいな床屋を覗くと座席もあいてる様子。「今、すぐやってくれる?!」と初めての店に入ったのだった。


しかしこれが、どうも間違いの元であった様である。バックグラウンドミュージックが静かに流れ、間接照明で浮き上がる店内は、椅子の間にもパーティションがあって、客の様子も良く見えない。料金が4200円と馬鹿高いのには一瞬たじろぐが、時間には代えられないので「 たのむよ 」と言うと「 ではカルテを作成いたしましょうか?」と見習いの若い女性が返答する。「 はあ?ここは医者かい?そんなものはいらないよ、時間がないから早くはじめてよ 」といささかぶっきらぼうに言うと「ではカルテは結構です」とくる。「なくて済むものなら最初から出すな」と思いつつ、丁寧と云うか、時間のない身から見ると緩慢な彼女の動作を見ていると、どうもとんでもない床屋に入ってしまったのかと後悔し始めたのだった。


この床屋、髪を切る前にさきほどの見習い風女性が「 まずシャンプーをします 」だと美容院の様な事を言う。何だか自分の髪が汚れていて、床屋がそれに触りたくないから洗うのか、とも感じるが「 シャンプーはどれになさいますか、何とかと何とかと何とかがあって・・・」と説明を始めるので、その言葉を遮り「・んなもなぁは何でも良いよ、普通の奴、普通の奴 」とこちらの言葉にも次第にトゲが入ってくる。歳をとるとせっかちになる上、今日は急ぎだと言っただろう、口を動かす前に手を動かせと言いたい処なのだが、マニュアルしか頭にない見習いの彼女はそんな雰囲気などお構いなしである。


シャンプーが終わると、おもむろにホンチャンの女性の理容師が現れるのだが、こんな演出もどうも床屋らしくなくて気にいらない。「 いかがなさいますか? 」の彼女の問いに「 短めに !」の一言で始まったのは良いが、こちらの彼女もしごく丁寧な動きで、時間の事が気になって仕方がない。調髪の後に「また髪を洗います」と2回も頭を洗うのにもびっくりしたが( 昔は髪を洗い過ぎるとハゲると云われたものだ )、そのシャンプー後に「お耳に水は入りませんでしたか?」と聞かれるのも初めてである。この床屋、椅子を倒しても起こしても、何をする際にも「ありがとうございました」と何がありがたいのか判らない意味不明な言葉を言うのだが、それがいかにもマニュアル通りというのが透けて見える。


という訳で時間ぎりぎりに何とか終わったのだが、最後にまた「ありがとうございました、お茶でございます」と、これでもかと云う程のサービスがつく。床屋でお茶が出たのも生まれて初めてだが、それにしても料金は高さは別として、一体いつからこんなビジネス・クラスの様なサービスが始まったのだろう。私などは座って「 短めに!」と一言会話を交わせば、眠っていてもササッとやってくれ、かつ客の機嫌を見ては世間話でも織り交ぜる様な店が床屋だと思っていた。そんな床屋では、大体ラジオから歌謡曲や道路交通情報がAMで流れていて、うとうとしつつ鋏の音とラジオを聴いていると「ああ床屋に来たな」と安心したのだが、時代も変わったものである。

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コメント

それは災難でしたね。ゆったりと散髪を楽しむのがその店のウリだとしても、初めてのお客で急いでると伝えている訳ですから、最初におおよその時間等を言うべきだと思います。マニュアル通り・・・、臨機応変に自分で判断し、考えて行動できる人が少なくなりました。
 床屋と言えば沖縄の中城に入港した時に1000円の看板に釣られて路地の中にある床屋に入ったのですが、店はホコリと古い雑誌だらけ、仕事は雑、好きに飲んで良いと言うインスタントコーヒーはカップすら洗っていない有様。本船で語り草となって殿堂入りしています。

大吟醸様

そうですか。都会で流行の1000円床屋の看板を掲げつつ、酷い対応をしている床屋もあるのですね。それにしても洗っていないコーヒーカップも凄いです。きっと日本各地でこの様な「殿堂」入りのお話があるものと思います。

私も今しがた近所の床屋に行って帰って参りました。今日は自宅からほど近いクイックカットの看板を掲げている床屋さんです。小気味良くバリカンとハサミを使って、あっという間にキレイサッパリ!洗髪のオプションも付けて¥1,100(カット¥800,シャンプー¥300)時間は、約25分。ちょっとおしゃべりな店主でしたが、満足度は高かったです。

院長先生

そこを今度教えて下さいな。ちょっとおしゃべりでも、その値段なら満足。

それって美容サロンとかいうところでしょうか?何でも昔の風情が無くなってきましたのは同感です。そもそも「床屋」の語源自体が若い人には通じないかも知れませんね。

MTさん、
そちらの床屋の事情など教えて下さい。興味あります。若い人はやっぱり美容院ですか?

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