帰宅難民
台風15号は夕方に首都圏を直撃して、JR・私鉄とも運転を見合わせた為、多くの人が帰宅の足止めを喰った様である。今朝は「 昨晩はどうやって帰ったか 」が各職場の話題になった事であろう。私の職場でも飲食店で時間をつぶした人、会社に戻って台風が通り過ぎるのを待った人など、それぞれ昨日の帰宅方法を話している中で、一人とてもうまい手を使って帰宅した人がいた。
彼は電車で1時間ほどの郊外に住んでいるのだが、昨日は鉄道が運転見合わせというニュースを聞きつつ、会社を早めに出た足で都営地下鉄・京浜急行で羽田空港へ行き、そこで最寄の駅行きのリムジンバスに乗ったそうだ。いつもよりもちろん時間が掛かったが、最近は羽田から郊外の駅に多くのリムジンバスが運行されており、台風で運転が中止になる鉄道を尻目に快適に帰宅できたと言う。羽田をポイントにして、便利なバスで帰宅の足を確保するとは、なかなか着眼点が鋭いものだと感心する。
鉄道がない点から云うと、アメリカに出張する際の移動は、もっぱら飛行機かクルマという事になる。しかし飛行機は最近のテロ対策と赤字対策で、とにかく搭乗手続きが不愉快な事この上なく、200~300マイルくらいのフライトならなるべく地上を移動したいところ。となると残るはレンタカーになるのだが、レンタカーは片道乗り捨の場合には料金がとても高くなる上、そもそも出張でレンタカーを禁止している会社も多い。
そんな際に思い出すのが、アメリカの個人の運転サービスである。これは外国船のクルーがアメリカで交代する場合、空港と港の間でクルーを移送する必要がある時、自家用車を使ってパートタイム的に、それを請け負うサービスである。私もかつて9・11テロ後でフライトが乱れていた頃に、約200マイル程はなれたシアトルとポートランドを移動するのに、これを利用した事がある。3時間余りの車中、いろいろ運転手と話すと、彼は予備役の軍人で普段は地元で農業をしているが、船舶代理店などからクルーの送迎依頼があると自家用車で仕事をすると言っていた。まあ日本で云えば白タクの様なものだが、料金はたしか数百ドルで飛行機の正規運賃程度だったと記憶している。
こんなアルバイト的運転サービスは、日本では規制やら法律で禁止されているのだろうが、昨日の様な帰宅困難日には、自家用車を使って雨風の中を歩いている人を送るもっと効率の良いシステムが出来ないものか、アメリカの自由な例をちょっと思い出したのだった。
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