夕闇迫る神宮球場、ねぐらへ急ぐカラスが 一羽、二羽、三羽
春は飛鳥Ⅱ・ワールドクルーズの船上にいたので、何十年も通っている東京六大学野球リーグ観戦に行けなかった。しかし船上に届く新聞の衛星版を見て、母校が優勝した事を心中密かに喜び、船内のバーで一人ウイスキー水割りで乾杯をしたのであった。なにしろ昭和40年代初頭から今までに行われた春・秋100回近いリーグ戦のうち、1試合も観戦に行かなかったのはアメリカに居た6シーズンと飛鳥Ⅱクルーズでの1シーズン計7シーズンだけだから、私にとって春・秋のリーグ戦の季節と云うと、試合予定を見てはそわそわするのである。
さてそんな訳で、今日は昨秋以来になる神宮球場、2011年秋季リーグ戦第1週カードに神宮球場に馳せ参じたのだった。真夏の様な陽射しの中で行われたゲームだったが、8週間に亘るリーグ戦最後の早慶戦の頃になると秋も深まり、「夕闇迫る神宮球場、ねぐらへ急ぐカラスが 一羽、二羽、三羽・・・・・」と戦前のNHK松内則三アナウンサーの名調子が脳裏に浮かんでくる様な季節になるのである。陽光輝く春の神宮外苑も良いが、つるべ落としの夕陽の中で行われる秋のリーグ戦はこれまた風情があるものだ。
今日は開幕週の第2日で第一試合は早明戦。早慶戦に劣らない人気カードが、第1週から組まれるのは両チームとも今春4位・5位と振るわなかった為で、両校のファンにとっては何とも残念な事だろう。試合は3対3の拮抗した試合だったが、9回明治4番手ピッチャー森田(4年・大垣日大)が投前バントを2度も内野手に悪投(1回は公式記録は野選)して自滅、6対3で早稲田が勝ち1勝1敗になった。それにしても明治はエース野村(4年広陵)で第1戦を取っても、第2戦を勝ち切れないという春以来の課題が露呈した様である。
第2試合の慶東戦、慶応は白村(慶応高校)の先発で大いに期待したのだが、彼のピッチングには少々がっかり。高校時代からプロも注目していた地を這うような豪速球はなりをひそめ、変化球でカウントを稼ぎせいぜい143キロくらいのストレートで打ち取っていたが、こんな事を昨秋から練習してきたのか。しかしその制球も時々ままならないとあっては、もう一皮剥ける必要がある様だ。まあ素人の勝手な願望や批評が許されるのが野球観戦の面白さで、そんなこんなを思いながら炎天下、日がな学生野球を見ていると、明日からの会社の事もすっかり忘れて身も心も軽くなるのだった。そして今も耳の裏では、一日中ガンガン聞いていた早明・慶東の応援歌が鳴り響いて、何故だが幸せな気分になるから不思議なものだ。
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