光速より速い物質
ニュートリノが光速より速く飛んでいるという説が発表された。と云っても、そもそもニュートリノって何?の文化系の私には、新聞やネットの記事を読んでもさっぱり解らない事が多い。しかし「 光速より速いものはない 」というアインシュタインの特殊相対性理論で説明できた、これまでの宇宙や物質に係わる概念が覆る可能性のある大事件である事くらいは理解できる。
中学生の頃「 宇宙の果てはどうなっているのだろうか? 」とか「 物質を細分化していくと最後はどうなるのか? 」等と云うほとんどの子供が疑問を持つ事に興味を覚え、新書のブルーバックス本を買っては、数式のあまりない「 お話 」としての物理学を楽しんだ時代があった。宇宙空間はエーテルで満たされているとか、相対性理論で時間が変化する等の解説には感動したのだが、結局のところあまりにも我々が日常知覚する世界を超えた現象で、ピンとこないまま読了した事を思い出した。
そんな門外漢も、光速より速く移動する物質が存在するという今回の発表には、大いに興味を持つものである。たしか光速に限りなく近い速さで飛ぶロケットで飛行すれば、ロケット内の時間は地上よりゆっくり流れるので、理論的には未来に行く事が可能だと云われていたはず。今回の発見で、光速を超えて移動する事が可能になると、時間が逆に流れて過去に行けるのでは、などと云う科学者の論評もあるが、そうなるといよいよタイム・マシンは理論的に実現可能なものなのか、とロマンの心が湧きおこる。なにやら「2001年宇宙の旅」でスタンリー・キューブリックが描いた世界を思い浮かべるが、人類が過去へ行けるとなると、「過去で起こった事で現在がある」と云う因果律は一体どういう事になるのだろう。世界は我々が知らない事で満ちているという事を改めて認識する。
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