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2011年8月15日 (月)

移民とモラル

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アラスカ・クルーズから下船して、久しぶりにシアトル郊外のベルビューという町に一週間ほど滞在し、毎日気温22度ほどのパシフィック・ノースウエストの夏を楽しんだ。かつて駐在していた頃、20年ほど前のベルビューは、8割~9割が白人の住む典型的なベッドタウンで、当時は良きアメリカの伝統が残っていたのか、交通もしごくのんびりしたものだった。ある友人は日本から引っ越した直後、日本と違う右側通行に慣れず、中央分離帯のある広い道を逆走してしまったのだが、正面から来た車は「違うよ、あっち向きだよ」と笑いながら正しい方向を指差して待ってくれたとかで「何て優しい町だろう」と感激していた。


このベルビュー近辺は、マイクロソフト本社やIT関連の企業が多数進出したため、最近はオフィスビルや新しいホテルなどが目だって増えてきた。ベルビューからシアトルへ向かうためにワシントン湖を渡る2本の高速道路は、かつて朝はダウンタウン行き、夕方はベルビュー方面に向かう車で渋滞したのだが、今は逆に朝ベルビューに通勤する車で逆車線が大渋滞を起こすのである。町が発展するのは結構な事だが、そんな人の増加に伴い、今回は運転していて”おや”っと思う経験を二度ほどした。


一度目は住宅地のごくローカルな交差点を赤信号で待っていた際、車内のものを拾うためにホンの1、2秒青信号で発進するのが遅れたのだが、後ろの車から猛烈な勢いで、早く行けとばかりホーン(クラクション)を鳴らされた。往来もほとんどない交差点で、止まっているのは我々の車とその車2台、一体何を急いでいるのかとびっくりしたのである。そういえばかつては街中で、ホーンなどは鳴らさない事と云われていて、私も滅多にアメリカではホーンなど鳴らさなかった覚えがある。この車、私の車を追い抜きざま「もたもたするな」とばかり一瞥をくれて去って行ったが、安い車ながら手を入れた凝った車体、運転手の横顔は以前はあまりいなかった南アジアか中東系の浅黒いあんちゃんだったから、勝手な推測ながら移民してきた若い者が、車を手に入れて粋がっている様にも感じたのである。


もう一回は田舎道を走っていた時、どうもミラー越しに見える後続車のドライバーが警官の様な服装なので、念のため制限速度以下でゆっくり走行していた所、その後ろの車から速く走れとばかりパッシングライトを点滅された。パッシングなども、このあたりの田舎では滅多に経験する事がなかったので、最近は日本並みにそんな事をするドライバーも増えたのかとちょっと驚いたのだが、老齢になっても運転しなければ生活していけないアメリカで、高齢者などはこの乱暴になるトラフィックマナーに付いて行けるのだろうか?


たかだか1週間、250マイルほどの運転中二回ほどこんな経験した事から、最近のアメリカの交通モラル云々を敷衍するのは短絡的かもしれない。しかし新しい産業が芽生え、人口が増え、都市化が進むに連れてアメリカでは、段々運転が世知辛くなって来た様な感じがした。殊に先の例からは、いわゆる白人以外の移民が増えるに連れ、伝統的なおおらかさが叙々に消え去っているのではないだろうかと思うのである。高速道路の最高制限速度は上がり、ヒッチハイクという伝統もすでに消滅したこの国をみると、日本も移民を受け入れれば、これまで我々が培ってきた様々なモラルやマナーが少なからず壊れていくのだろうか。そういえばマクドナルドでも、日本と違いホスピタリティーのかけらもない、仏頂面のヒスパニック系の女性店員からハンバーガーを受け取ると、移民や多民族化と伝統の共生とは難しいものだと考えさせられたのだった。

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