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2011年8月11日 (木)

ボーイング・エバレット工場見学ツアー

乗り物好きの妻は、シアトルと云えばボーイング社の工場見学に行きたいと云うが、かつて90年代の初頭に私が駐在していた頃あまり訪れる人もなかった工場見学が、今ではシアトル観光の最大の目玉となっていると聞いて驚いた。ボーイングの工場の側においしい天婦羅屋があったな、という位で道も定かに覚えていないし、朝のラッシュ時に久しぶりに運転して行くのもかったるいなという事で、法外に高いとは思いながら現地日系旅行社の日本人ガイド送迎付きツアーを頼む事にした。これはベテランの日本人ガイドがエバレットのボーイング工場とシアトルの南にある航空博物館を日帰りで案内してくれる7時間のツアーである。


さて朝8時過ぎにホテルでピックアップされ、巨大なボーイング工場のコンプレックスに到着したのが9時過ぎ。この地に20年以上住む男性ガイドはさすがベテランだけに、9時半にスタートする工場見学ツアーの前に、ビジターセンター周辺をあちこちまわりながら施設の概観やこの工場の役割などを教えてくれる。滑走路ではまだ塗装も済んでいない777が滑走から緊急停止するテストなど、普段見られないものも眺めることが出来た。


ツアーは9時から30分刻みで組み分けされてスタートするが、その前に工場内の見学はカメラはおろか携帯電話など一切の電子機器持込不可なので、これらの荷物を受付近くのコインロッカーに預けるか車の中に置いて来なければならない。ビジターセンターの入口でチケットを見せると、まずJALやANAが頻繁に出てくるボーイング社のPR映画を見る事からツアーが始まる。上映が終わり外に出ると目の前に大きな観光バスが止まっていて、9時半の部の参加者(我々の場合は40人ほどだった)が女性の案内で一同ぞろぞろと乗り込み工場前まで行くのである。


約1km離れた大きな工場の前までバスで行くと、工場の建て屋はまるで空港のハンガーがいくつも横に並んだ様な巨大なつくりである事がわかる。さかんに案内の女性は扉の大きさをフットボール場何個分などと説明してくれるが、ギネスレコードに認められた世界で一番大きな建て物である事は実感できる。バスを降りて階段で工場内の地下通路に入り、300米ほど歩いてエレベーターで見学者用の展望台に出ると、ここから飛行機が組み立てられる様子を見ながら案内嬢に工程を説明をしてもらえる。


ツアーは747(ジャンボ)の8シリーズ(主に貨物用)の工場、次に777、最後に最新の787(ドリームライナー)の工場を次々に見学するのだが、機種が新しくなるにつれ、手作り的な製造からライン上の流れ作業になり、看板方式的になるのがわかる。映画やガイダンスに加え、この約1時間半の現場見学で工場のツアーは終わるのだが、我々が帰る頃にも次々ツアーが出発するのと出会う。その有様を見ると航空機製造のダイナミックなシーンもさる事ながら、一人20ドルを徴収し極めてシステマチックな面白いアトラクションツアーを彼らは考え出したものだと感心した。妻の興味に付き合って初めて来てみたが、日本人ガイドの案内も効率的で、アメリカの効率的かつ見せる工夫満点の工場見学も面白いものだと思った。

完成間近い全日空向け787と工場(後ろ)
20110810777

航空機ファン垂涎の747LCF、ドリームリフター。これで日本から787の胴体や主翼を運ぶ
20110810

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コメント

バルクキャリアーさん こんばんは

エバレット工場を見学されたのですね。
あの工場はとても大きいですから、距離感が全く変わってしまいます。

今から数年前に、家族を連れて工場見学に参加した事を思い出しました。
シアトルの今年の夏は、とても涼しくて過ごしやすいそうですね。
海産物や新鮮はシアトルでの生活を、うんと楽しんでくださいね。

ぽんぽこりんさん

こんにちは。日本はとても暑いそうで、今しばらく、天国を味わっています。

この工場の見せ方に感動したのは、上の通りですが、それにしてもANA、JALがエバレットでは大変なプレゼンスなのは嬉しかったです。

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