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2011年7月12日 (火)

人生に存在しない日

飛鳥Ⅱは7月8日の昼に国際日付変更線を通過した。これまで西回りで地球をぐるっと回ってきたので、時計の針を都度1時間ずつ進めてきたのだが、グリニッジ標準時間に12時間を足した(遅れた)太平洋の真ん中で、7月8日のミッドナイトが7月10日の0時となり7月9日という日をスキップしてしまった。ジューヌ・ベルヌの小説 「 80日間世界一周 」は、東回りで地球をぐるっと廻ったため、暦の上で一日余分な日ができる事がストーリーのミソなのだが、西回りだとその逆の現象がおきてしまう。


そういえば若い時の貨物船乗船研修では、太平洋を往復してカリブ海に行ったから、当時も帰りに暦の日を一日とばしており、これで私の人生には”存在しない日”が2日できた事になる。この日付が変わると云う仕組みは理屈の上ではわかるのだが、実際にある日が日記などから消滅するととても奇妙な感じがするものだ。これが飛行機の場合ならアメリカから日本に飛ぶと、出発日と到着日が一日変わるものの、日付け変更線の前後にかなりの距離を一気に飛行するから、ある日がまったくなくなるという現象は生じない。仮に日付け変更線をはさんで1米の離れた場所に2つの島があったら、住人はその島を跨いで行き来するたびに暦の上で24時間増えたり減ったりする訳だが、現実的に日本人が暦の増減する経験をするのは、船旅くらいのものではないだろうか。


という訳で、飛鳥Ⅱの船上では7月9日という日が消え、急に帰国する日が近づいてきた感じがするが、そんな事とは関係なく、日本では震災復興をはじめ日々の生活が行われている。顔見知りばかりになった船客やクルーたちと、周囲とセパレートされたクルーズ船という特別な環境で100日以上の濃密な時間を共有してきたが、日々仕事に生活に忙しい陸上の人達は、日常の時間が流れていたはずである。光速に近い速さで動く乗り物に乗ったら、地上の人とは違う時間が流れるというのは、アインシュタインの特殊相対性理論が教える所だが、ゆったりと走るクルーズ船の空間に浸っていると、今浦島になってボケては来ていないか、そんな事も帰国を前につらつら考えるのだ。

写真は9日分がないアスカデイリー
20110712

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