乗客の織り成す雰囲気
飛鳥Ⅱより103日ぶりに東京に帰ってきた。横浜を通り越して最終港神戸で下船、折り返し新幹線で帰ってきたのだが、家についたら東京は震度4の地震である。新幹線はしばらく運転見合わせとのニュースで、一瞬の差で地震にあわずラッキーであった。とにかく病気や事故もなく無事帰宅できた事は嬉しいが、それにも増して不在の間に、郵便物の取り込みや税金の支払いなどの諸事を、滞りなく行ってくれた親戚や周囲の人の協力なしでは行ってこれなかった。皆様に感謝申し上げます。
さてハワイも過ぎ日本に近づき、残りの航海も少なくなると、今まで船内で顔は知っていたものの、話などをしなかった人が、名残惜しげに言葉を交わす様になって来て、あちこちで話がはずむ。ある人は「もうすぐ終わりだね。俺は前には”ぱしふぃっくびいなす”で世界一周したので今度が二度目だったよ」と言う。「 比べてみて、船内はどう違いました?」と聞くと「とにかくノリが違うよ、あっちはもっとフレンドリーな雰囲気だったね」と話す。それを聞いていたもう少しシニアーの男性は「私は飛鳥の2007年のワールドクルーズに乗ったけど、今回は以前よりすっかりにぎやかだよ」と会話に加わる。
なにしろこのワールドクルーズの乗船者平均年齢が70.4歳とかで、乗船前から予想してきた事とはいえ、私もクルーズの最中はずいぶん静かな船内だと思っていた。これまで乗った中では、ホーランドアメリカ社の英国周遊クルーズの旅が、高齢のヨーロッパ人乗客が多かったために静かだと感じたものだが、それにも増してこのワールドクルーズは、良く言えば落ち着いた雰囲気、率直に云えば乗客のノリが少なかった。
飛鳥Ⅱのコンシェルジェは「それでも、ここ数年は定年退職直後の団塊世代が徐々に乗船する様になって、船内の雰囲気も毎年変わって来ているんですよ」と説明する。若いクルーズスタッフ達は「お客さんを盛り上げる為に一生懸命やるのですが、今年はこれまでで一番乗客が盛り上がって下さいました」と口々に言い、「皆様に評判の良かったプールでの『大相撲・飛鳥場所』も、今年の乗客のノリなら、きっと受けるに違いないと初めてやってみました 」と喜んでいた。
飛鳥Ⅱのワールドクルーズも、毎年毎年船内の雰囲気が変わっていっている様で、我々の世代からすれば嬉しい事だが、永年この船に乗りなれたオールドファンの中には、落ち着いた雰囲気が変わるのを、にがにがしく思っている人達もいるのではないかと想像する。僅か400名の乗客だが、時々「あれ、この人は乗客かな?初めて見かけた」とか、フォトショップで販売されている写真で初めて見る人が写っていたりして、色々な人が乗船している事に気づく。それぞれが相当のお金と時間を工面して、200米余りの空間で一緒に生活する訳で、様々なニーズや不満があるのだろうな、と改めてクルーの苦労に思いを馳せたのである。
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Bulkcarrier様 先日書き込みをさせていただいたパナマ運河公社のHPですが、既にご存じかとも思いますが、http://www.pancanal.com/eng/photo/camera-java.html
でご覧になれます。高感度カメラの画像もあり、結構楽しめます。
投稿: まろんの父 | 2011年7月20日 (水) 23時51分
まろんの父さま
本当だ。きれいにリアルタイムで見る事ができますね。飛鳥Ⅱもこの画面で映っていたのですね。ありがとうございます。
まだご出張中でしょうか?体に気をつけて頑張って下さい。
投稿: バルクキャリアー | 2011年7月21日 (木) 10時56分