停泊時間
飛鳥Ⅱは、ハワイ島のヒロとオアフ島ホノルルで停泊した。ふつう雨の多いヒロの町だが今回は天気に恵まれたし、ホノルルもハワイらしい良い天気であった。その前の寄港地サンフランシスコは、これまでに経験した事がない一日中土砂降りという珍しい天気だったから、「江戸の仇を長崎で・・・」ではないが、その分嬉しく得をした思いもする。ホノルルの入港風景を見ているうち、自然に「♪晴れた空、そよぐ風、港出船のドラの音楽し~♯」と岡晴男の「憧れののハワイ航路」を口ずさんでいる私である。
残り日本までは1週間の航海で、普通のクルーズなら 「 まだまだ 」 と思うが、船内では「世界一周アンケート」用紙が配られたり、下船宅配便のダンボールの販売が始まったりと、徐々に終了に向けて手続きが始まってちょっと寂しい感じがする。それにしても総ての寄港予定地を無事回ったわけだが、寄港時間が短かすぎたというのが今の感想である。主要な寄港地ではもっと色々動き回りたかったが、とにかく帰船時間が早く、お仕着せのオプショナルツアーに参加しない時は、せいぜい港の周囲に行くのが精一杯だった。そのオプショナルツアーも、4年前”プライド・オブ・アメリカ”号でマウイ島のハレアカラ火山の船主催ツアー(日本語ガイドつき)に参加した時は半日で56ドルだったものが、今回のハワイ島滝めぐりツアーは催行時間も移動距離も少ないのに106ドル取られるなど、とても割高な設定である。
これだけの長期クルーズなのだから、主な寄港地では最低2泊停泊してくれれば、初日に下船して近辺の様子を肌で感じ、2日目には帰船時間を気にせずにゆっくり自由に行動できたはずである。そうすれば例えばゴルフ好きは下船して各地でプレーできるし、遠くへ出かけたい人は鉄道に乗ったりレンタカーを借りるなど、行動範囲も広がっただろうと思う。今回は飛鳥クルーズ20周年記念という事で、ストックホルム市庁舎での晩餐会が一つの目玉であった一方、アラブ情勢によって喜望峰回りになり航走距離が大幅に増えたことが重なった為、苦心のスケジュールだったに違いないが。
しかしダグラス・ワードの年鑑によると、2011年にワールドクルーズを実施する船は世界で18隻でその航海日数は平均119日、寄港地数は50港であるのに対し、本船の日程は104日間で寄港地は23であった。航路変更により寄港地が5つ減ったことを差し引いたとしても、数字的にも寄港地が少ない。それならば寄港地でのオーバーナイトステイがもう少しあれば、上陸して自分の足でアクティビティや食事を楽しむ時間がもっと増えたのにと思う。外国船のクルーズでは22ノット以上で飛ばしている航海日もあるのに、本船は最大でも20ノット程度、特に各港に入る前日は速度を大幅に落として入港時間を調整していた。ワールドクルーズの特殊性や海象の違いを考えても、まったく余裕がないスケジュールとは言えないだけに、停泊時間の短さは残念に感じた。
写真は23ノットで航海する事を示す”レジェンド・オブ・ザ・シーズ゙”号の船内放送
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