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2011年6月17日 (金)

クルーザーズ・オン・パレード

20110616

客船ファンである我々が期待するナッソーに飛鳥Ⅱは6月15日に入港した。ナッソーの客船ターミナルにカリブ海クルーズの大型船が揃う有様は、旅行雑誌のグラビアなどで良く見る通りで、世界のどんな客船が一緒に入港してくるのか、15日はまだ朝も明けやらない5時半のパイロット乗船時間に目覚ましをかけて入港状況をワッチする事にした。ナッソーはカリブ海北部の島々からなるバハマ国の首都で、アメリカのフロリダ半島から400キロもなく、クルーズ船の寄港地としては絶好のロケーション。毎日の様に何隻もの船が、数千人もの観光客を乗せて入港し地元に金を落とすわけで、クルーズ産業はこの国経済にさぞや貢献している事であろうと想像する。


まだ暗い内からデッキに出て目をこらしながら入港状況を見ていると、飛鳥Ⅱは今日の入港一番船で、本船の後に特徴あるファンネルを持った、カーニバルクルーズの客船3隻が雁行してくるのがわかる。堤防を交わして微速前進で飛鳥Ⅱが岸壁に近づくうち、ようよう夜も明け、持参の双眼鏡でこれらの船名を確認すると、カーニバルの船たちはファンタジークラスと呼ばれる7万トンの同型船3バイで、"Carnival Fascination"を先頭に"Carnival Fantasy "、"Carnival Sensation"と縦列で入港する威容は、軍艦の単縦陣にも似て見ているだけで胸が高鳴る。カーニバル船隊に続いて入港してきたのは、ファンネル廻りにバーなどが設置され、これまた特徴ある船影の、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社の"Majesty of the Seas" (7万3千トン)である。


飛鳥Ⅱに続いて、カーニバルやロイヤルカリビアンの7万トンクラスの船が、次々係留作業を終えると、沖にはディズニークルーズ独特の2本煙突を掲げた大型船がやってくるのがわかる。双眼鏡で確認すると今年1月に出来たばかり、12万8千トンの"Disney Dream"が黒い船体に金の帯を巻いてしずしずと入港してくる。その威容に飛鳥の乗客だけでなくクルーたちもしばしば見とれるうち、真新しい巨体はタグもなしに、飛鳥Ⅱのすぐ横に着岸すると、「星に願いを」のメロディの汽笛を鳴らした。この朝の次々と各船の入港する様子は、まさにカリブ海クルーズの表銀座を象徴するもので、ディズニー船を始め各船とも若者や子供達で一杯、家族連れがつぎつぎ下船してくるのを見ていると、クルーズ文化の彼我差を痛切に感じるのであった。


この様に一同に客船が会合すると、同じ7万トン型でも会社のポリシーによって随分デザインが違う事がわかるし、同型船といえども微妙に細部が違ったり、改造されていたりして船ウオッチングファンには、誠に興味が尽きない。むろん飛鳥Ⅱの船としての美しさは、世界のクルーズ船に出会っても決して劣るものではないし、クオリティーではナッソーに集結した各船の中でもピカイチであるが、こうも大型船や最新鋭のきれいな船と並ぶと、さすがに1990年製造の飛鳥Ⅱはやつれが隠せないのも事実。早く日本でも、より大型の最新鋭船が出来ないものか、それがダメならディズニークルーズでも日本に殴り込みをかけて、日本の客船文化に旋風を起こしてくれないかと、思わずため息をつくナッソーであった。

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船・船旅」カテゴリの記事

コメント

数年前からお目にかかってます。

まだ、現役集終了まで20年ほどありますがいつも楽しみにしております。

貴殿の乗船からいろいろ参考になります。初めての投稿ですがホンマにおもしろしです。

これからも楽しみにしてます。

また、投稿します。

カリブ海いいですね!僕も見てみたいです。

ありがとうさん様

ご愛読ありがとうございます。航海が終盤になるにつれ、段々気持ちがブルーになって来ます。いつの日にかありがとうさんも世界一周クルーズ実現されますよう

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