オアシス・オブ・ザ・シーズ
飛鳥Ⅱはカリブ海クルーズでは代表的な寄港地であるメキシコのコズメル島に6月16日朝到着した。早朝、メキシコ本土にあるマヤ遺跡のショアーエクスカーションに参加する乗船客を、本土側のプラヤ・デル・カルメン沖で迎えのボートに降ろして、飛鳥Ⅱはゆっくりと沖に浮かぶコズメル島の寄港地サン・ミゲルへとシフトする。カリブ海の穏やかな朝、海峡の水面は波もなく空も快晴、絶好のカリブ海クルーズ日和だ。
と、その時、飛鳥Ⅱ船長のアナウンスが始まり、コズメル島のサン・ミゲル客船ターミナルに先に停泊しているのが、世界最大の客船22万9千トンの”OASIS OF THE SEAS"”であるという。このクルーズでは自然の驚異を始め、いろいろなものを見る事が出来たが、「 世界最大 」と云われるものに遭うチャンスはそうめったにない。あわてて双眼鏡片手にデッキに駆けつけると、前方遠く朝日に白く光りながら停泊する大きな船は、まさしく雑誌などで見たあの姿である。段々近づくにつれ、海岸に並ぶリゾートホテルを凌駕する大きな塊は、船というより巨大なモニュメントか何かの様にも映る。
コズメルでは飛鳥Ⅱは船体がコンパクトなためサン・ミゲルの町の真ん中の桟橋に着桟したが、”OASIS OF THE SEAS” は、町から5キロばかり離れたターミナルに着いていたので、残念ながら隣に横付けという訳にはいかなかった。オアシス号は5000人もの乗客が乗れ、船内も様々な施設に溢れているそうだが、一度に乗客が上下船するには時間もかかるだろうし、町外れの岸壁を使わなければならない等、超大型船というものは、特定の港以外では結構もてあますのではないかと想像される。そう言えば、ニューヨークでも飛鳥Ⅱはマンハッタンのど真中に着岸したのに、先行した14万8千トンの”QUEEN MARY 2はブルックリンに回って行った。クルーズ船は大きければ良いというものでもなく、7万トンから8万トンが取り回しの上で丁度良いサイズだと、常々私は思っているのである。
夕方サン・ミゲルの海辺のメキシカン・レストランに繰り出して、激辛フライド・チキン・ウイングのジャンキーな味を楽しんでいると、夕陽をバックに出港していく巨大なOASIS号が目の前を通る。ハッピーアワーの安いビールをたらふく飲んで、世界最大の船の優雅な姿を見ていると、何故か大瀧栄一の夏の音楽などが自然に湧いてくるカリブ海の島であった。
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