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2011年4月14日 (木)

飛鳥Ⅱの良い点

20110414

航海も12日目に入って、普通はもう下船の時なのだが、まだクルーズも序盤だと思うと嬉しい気分である。 今航海はこれまでのワールドクルーズの約半数の乗船客との事で、船内は何処へ行ってもゆったりしているのが良い。食事の量が高齢者向けに少ないのだが、こちらもそれに合わせているので、どうやら脂肪がついて下船、という事態は免れそうである。長期クルーズで肥満を防ぐという観点からは、食事とともに船内でのフィットネスなど運動環境も重要なファクターと云えよう。


クルーズの専門誌などを見ても、食事や設備の案内には十分にスペースを割いているものの、船内で身体を動かす事についてはあまり記載がない。しかし航海が長くなるとこの点は重要なポイントであるし、今後クルーズ全体の普及という観点からも見逃せない。その意味では”飛鳥Ⅱ”はこれまで乗船した中で、秀逸なフィットネスの設備を持っていると云えよう。まず本船の7デッキのプロムナードデッキがぐるっと本船のハウス周りを一周全通しているのだが、これが広く開放的で良い。最近の大型船の傾向としては、船の後部にあるダイニングや厨房などの配置上の制約からか、せっかくのデッキが船尾側で途切れていたり、階段で一旦上り下がりしないと一周できない船が多い中、本船の一周フラットなデッキの構造は歩くのも走るのにも秀逸である。


また構造的には遊歩デッキが全通していても、船首部や船尾部がメンテナンスなど作業場となって、実際には常時開放されていない船もあるが、この点では最近乗船したホーランド・アメリカの”ウエステルダム”号が広い全通甲板を持ち、かつテンダーボートの作業中も通行禁止にならなかった点で感心した。 ただ”ウエステルダム”など最近の船は、ほとんどがチーク模様であるものの実際は合板の様な加工された工業製品をデッキに貼っているらしいのだが、足への負担と言う点では ”飛鳥Ⅱ”の昔風のチーク張りの方が格段に優れていると感じる。一見木材風ではあるものの加工された合板の上をグルグル回っていると、足・腰への負担が大きく疲労するに対し、”飛鳥Ⅱ”の伝統的なデッキは身体に優しく、こんな見えない点にも随分この船が贅沢に出来ていて、かつメンテの苦労も察せられるのである。


更に7デッキの客室が同じ階のプロムナードデッキより一段高い位置にあって、外から中が見えない様になっているのも大変良い構造だと感心している。プールは一箇所しかないが、客船のプールとしてはサイズ的に十分大きく、水遊び以上の「水泳」が出来る点や、ミニテニスの”ウインブルドンコート”の設備、その他フィットネスセンターなども5万トンの船として過不足ないようだ。長期クルーズ船として船上での肥満対策としてもとても良いクルーズ船と感じている。

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