ゆすり発言
米国務省のメア日本部長が、2010年12月アメリカン大学で行った”オフレコ”講演が大問題になっている。オフレコを発表するのも如何なものかと思うが、それにつけても発言の内容がどの様なものだったか気になるところである。
メア氏の講義が、例えばくだけた感じの講義だったのか、脱線しまくった講義なのか、そのあたりで講義の印象も随分変わろうし、そもそも流布されている講義録が講義の中味を正確に記録したものかは検証できないが、ネットで手に入る資料を即興で訳して見た。たしかに活字にしてみるとメア氏の認識の中には間違いがあるし、ちょっと親日派の高官としてはいかがなものか、と言う発言もあるが、確かにそうだと思う部分もある。
もっともこれが14人の学生の前で話されたというから、ゼミの様なものだったのかもしれない。するとまったくの雑談的な雰囲気だったとも考えられる。状況によって扱いが随分異なるのではないだろうか。
<メア氏コメント>
-沖縄に総領事として2009年まで滞在した。日本の米軍基地の半分は沖縄にある。ただし自衛隊との共用基地を入れればもっと沖縄の負担割合は低くなる。
-問題になっている基地はもともと田んぼの中にあった。その後基地周辺の人口増と都市化で基地が町の真ん中になった。
-沖縄の基地は地域の安全保障に寄与している。日米安全保障条約により日本政府は基地の土地を米国に提供しているがこの条約は片務的である。日本が攻撃された際に米国は日本を守る義務があるが、米国が攻撃された際に日本が米国を守る義務はない。
-集団的自衛権は憲法上の制約ではなく、政治的な問題である。
-18000名の海兵隊員が沖縄にいるが、その理由は施設がすでに存在している事と、地理上重要な位置だからである。
-在日米軍総司令部は横田にあり兵站を担っている。三沢は冷戦時代重要だったが今も対ロシアへの最短の米軍基地である。岩国は朝鮮半島に近く沖縄も地政学から重要な位置にある。
-沖縄はもともと独立した王国で中国に朝貢していたが中国の属国になった事はない。1972年まで米国の施政下にあった。
-沖縄の人々の怒りとフラストレーションは、米軍よりも日本国政府に向けられている。民主党政府は沖縄を理解していないし沖縄とのパイプもない。自分が沖縄と直接話したいと言った際、民主党は「どうぞ、どうぞ」と言うだけだった。自民党の方が民主党よりましである。
-1/3の人は軍隊がない方が世界が平和だと信じているが、これらの人々と話す事は不可能である。
-2009年の総選挙で初めて民主党が政権を握ったが、鳩山首相は左翼である。にもかかわらず我々は5月に2+2の日米会談を持てる事になった。
-米国は8000人の海兵隊を普天間からグアムへ移動させるが、地域の抑止力と安全保障は維持できる。
-この過程で日本は金銭面で実効的な協力をする。民主党政府はこの移動を遅らせたが、私は現計画が実行されると確信している。
-東京の政府は沖縄県知事に「金が欲しいなら普天間移設の現行プランに同意せよ」と言う必要がある。
-海兵隊の基地は他のどの府県にも代替移設場所は見つけられなかった。
-日本の文化の特徴は「和」(HARMONY)でコンセンサスを重視する。日本ではコンセンサスを得ることが重要である。コンセンサスはゆすり・強要(EXTORTION)を意味し、ゆする目的でコンセンサスを利用する。コンセンサスを探るふりをしてなるべく多くの金を得ようとする。沖縄はゆすり(EXTORTION)とごまかし(MANIPULATION)のMASTERである。
-沖縄の主要産業は観光である。ゴーヤも特産品だが沖縄はゴーヤを栽培するにはTOO LAZYでもっと生産している他の県もある。
-沖縄の離婚率、出生率、酒酔い運転率は高い。
-日本では「建前と本音」が違うので注意せよ。沖縄の政治家は地元と東京では言う事が違う。米国の外交官はこの「建前と本音」にしばしば悩まされる。普天間が特別危険だという事ではないというのは、本当は沖縄の人もわかっている。伊丹や福岡も同様である。
-米軍と自衛隊ではメンタリティーが違う。米国は実戦での展開に備えており自衛隊はそうではない。
-地元の人は夜間訓練に反対するが、実戦はしばしば夜間に行われるものである。
-憲法第9条は改正すべきとは思わないしこれは永久に実現しないだろう。但し改訂されれば米国の存在が必要なくなるので米国には不都合といえる。これまでの日本のサポートは米国に貢献し良いDEALをしてきた。
以上
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