オネスト・ジョン
「 で、お義兄さんは東京マラソンをどの位で走るの? 」と義理の妹が尋ねた。「 そうだな、30キロ以上は苦手だから4時間くらいかかるかもね 」と私。「 またまた・・・。姉が4時間で走る予定で、普段1キロで1分くらいは差がつくのだから3時間20分は固いでしょう? 」「 本当に30キロ以上の長距離は性格的にも弱いんだよ 」などと私は彼女をいなす。たしかにハーフマラソンの記録からすると理論的には3時間20分くらいで走っても良さそうなのだが、そこはそれ、過去のフルマラソンでも失速して満足に走れていないのは、マラソンは魔物と言われる所以である。
多分、人それぞれ固有の運動リズムがあって、1キロを4分で走ると気持ち良い人が5分で走ると遅すぎてリズムが崩れ、却ってエネルギーを消耗すると云う事なのであろう。ゆっくり行けば良いものを、そうできずに結局スタミナ切れするのは、走った事がある人なら判ってくれるだろう。もっとも試験前に「 勉強していない、いない 」と言いつつ、家ではガリ勉していたような人間には思われたくないから、「 よし分かった。俺が三味線を弾いていると疑うなら、3時間半を切ったら、家族ぐるみ皆で銀座4丁目の高級イタリアン・レストランに連れて行ってやる 」と豪語してスタート地点に立ったのであった。
さて昨日のレース前半はすこぶる調子良く、3時間半をゆうゆうクリアーするペースで展開する。「 そうか、このまま行けば皆を招待する事になるけど、予算はどの位かかるのかなあ 」などと余裕の思いをかましつつ、中間点の銀座の交差点では、くだんのレストランを横目に見ながら鼻歌交じりに通過したまでは良かったのだが・・・・・。その後は昨ブログ通りの大失速で、ほうほうの態でゴールに辿りついたのであった。なにしろ35キロから40キロまでの5キロが37分もかかっているが、これは早足で歩くのとあまり変わらない速さで、わが人生で最悪のペースダウンである。
「さあ、 これで散財しなくても済んだ 」と悔し紛れにちょっと考えたものの、「 いや、今日は絶好のレース日和。ドバっと金を遣っても良いから、3時間半切りたかった~ 」とか「 高級イタリアンの期待を裏切って残念~ 」などと朦朧とする頭のなかで色々な考えが交錯する。それでもここで途中棄権でもしようものなら、数年間は彼女たちの酒の肴にされるのは必至だから、なんとか完走だけは果たしたいと必死でゴールしたのである。「 ほらやっぱり嘘はつかなかったでしょう、オネスト・ジョンなら一人勝ちの様なものだ 」とゴール後に放言してウさを晴らしたが、オネストじゃなくても良いから3時間半以内で走りたかったとも思うのである。
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高級イタリアン…、たべたかったぁ〜( ̄0 ̄)
それもあって今回も盛り上がった東京マラソン!!
次回は是非ともサブ3,5を目指しましょう!
まずは皇居6周!やりましょう…(^-^ゞ
あっ、来年また当選したらですよ〜(^-^)/
投稿: 院長 | 2011年3月 1日 (火) 13時50分
了解です。今日になってムラムラと再チャレンジの気持ちが。10万円用意するか陸連登録するか。来年こそ皆でイタリアン。
投稿: 失速王 | 2011年3月 1日 (火) 18時12分