東京駅のドーム
東京の話題と云えば最近はスカイ・ツリーばかりなのだが、東京駅でも丸の内の駅舎の復元工事が行われている。今日たまたま丸の内を歩いていたところ、南口工事現場の覆いの上部がはずされ、写真でしか見た事がない丸いドーム型の屋根が一部見えた。戦災で焼け落ちた旧ドームを復元する工事と云う事だが、ベールをはいだドームは我々にとっては初めて見る建物と云え、”デジャブ”と云うか何だか不思議な感覚を覚える。
東京駅丸の内本屋は辰野金吾によって設計され、1914年に東京の中央駅として開業したのだが、1945年の空襲で南北両端にあった旧ドームが焼け落ちた。戦後は直線的な面で構成された塔屋に改築され東京駅は営業されてきたのだが、この戦後の駅舎に馴染んだ私たちの目には、復元されたドーム屋根が却って新鮮にも写る。子供の頃は、丸の内南口は「乗車口」で北口が「降車口」と呼ばれ、優等列車に乗る際は南口から「赤帽」さんに荷物を列車の座席まで運んで貰うのが旅人のならいで、東京駅から旅行というと丸の内の旧駅舎が真っ先に頭に浮かんだものである。
そんな馴染みの旧駅舎も、今回の復元工事ですっかり戦前の姿に戻る上、耐震などの最新の防災構造が施されるのだと云う。目を地下に転じれば東京駅から皇居に通ずる「行幸通り」の下にもきれいな通路が完成して気持ちよい。これら工事が完成されたところで、我々の生活が直ちに変わる訳ではないが、東京の玄関口である丸の内が復元・整備されていくと都市の「成熟」を肌で感じる。
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