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2011年1月17日 (月)

日本ハム・齋藤フィーバー

ハンカチ王子・齋藤が入った日本ハムの鎌ヶ谷グランド周辺は、連日の様に彼目当てのファンで大混雑だと云う。プロに入った途端にそんなに注目されるのなら、神宮球場の東京六大学リーグ戦に、もっと人が押しかけても良かったのにと思うが、優勝のかかった早慶戦などごく一部の試合を除いて、齋藤が登板しても観衆がそれほど増えた訳ではなかった。ファンの熱気などというのは所詮そんな程度で、彼がプロで今後いかに実績を挙げるか如何で、一年後にこのフィーバーもどうなっているのか、そちらの方がちょっと楽しみではある、などと云うのはひねくれ者の感慨である。

齋藤は早実時代は夏の甲子園で優勝、大学4年秋には早稲田の主将としてリーグ戦と明治神宮大会で優勝と、たしかに「何か持っている」のだろうが、それだけで通用するほどプロは甘くないだろう。東京六大学野球では30勝以上した投手が大投手として称えられる中、彼は31勝しているが直近のリーグ戦30勝投手である平成20年卒の加藤(慶応)が、ヤクルトで今年やっと1勝したのを見ると、プロというのは厳しい世界である事がわかる。そういえば加藤と同期で、鳴り物入りでダイエーに入った東洋大学の大場も陰をひそめたままのようだ。

私は東京六大学リーグ戦は、来る年も来る年も春・秋と50年近く観戦してきたが、野球に関してはずぶの素人である。であるので独断に過ぎないが、齋藤はとても良い投手の一人ではあるものの、近年まれに見る大投手である、とまでは言い切れない気がする。すばらしい速球があるわけでなく、大学では決め球である右打者の外角低めに決まる変化球が、百戦練磨のプロの猛者にいつまで通用するのだろうかと危惧する。一方かつて石田(取出二)、大越(仙台育英)と甲子園で優勝・準優勝した投手が、その厳しいスタイルに合わず退部した早稲田の野球部で、100代目の主将を務めて優勝する当たり、精神的には相当タフでふところ深いものを持っているのだろう事も想像がつく。そんな彼がプロでどう身を処していくのかは、人間ドラマとして見るとちょっと魅力的である。

そんなこんなで、齋藤も日本ハムではスターとして大事に使われ、最初は良い場面で登板もできるであろうから、そこそこの勝ち星は挙げる事ができるだろう。ただそれ以上の活躍が出来る大投手になれるか、というと今のままでは?というのが勝手な見立てである。そこで私の予想は、ずばりプロ初年度は齋藤は7勝4敗くらいかと思っているのだが、岡目八目になるかならぬか彼のプロ登板に注目してみたい。

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