夢想
1月9日のブログで「がんばれ広島電鉄」とアップした処、札幌の方から路面電車について「世の中の趨勢から見直しがされていて、以前あった路線を復活させる等の検討もされ、・・・・・広島や富山、或いは海外のLRTのように、うまく他の交通手段と共存できる方法(むしろ投資、でしょうか)ができると良いのになあと感じます。」とコメントを頂いた。それを読んでいる内に、公共輸送機関の再整備、以前から交通ファン的な視点で考えていた幾つかのアイデアがふつふつと湧いてきた。
まず都電荒川線の南の端が早稲田で途切れている点だが、これを(新)目白通り沿いに飯田橋まで、道路脇を専用軌道で再延長できぬかと云う夢想である。この区間は道幅も広い上、神田川の河川の一部も軌道に利用できそうだと、いつもここを通る度に考えている。僅か3キロ~4キロの区間だが、目白通りに近い既存の地下鉄・東西線や丸の内線とはけっこう距離があり、お年寄りが多い事、かつ多数の事業所もある事などライトレイルへの需要は多いのではないだろうか。早稲田から戸塚町・鶴巻町・江戸川橋・水道町・西五軒町・大曲と電停を設け、いまや地下鉄4線にJR線が集まる大ステーション・飯田橋に可能な限り接近したターミナルがつくれぬものか、などと再開発した姿を勝手に考える。ここに低床式で最新の連接車などを走らせ荒川線と直通させたら、環境の面でもバリアフリーの点でもダンディーだなと思うのである。
次に新装なって国際化した羽田空港アクセスだが、せっかく東京モノレールがJRの傘下になったのだから、何も浜松町で終点にせずJRの線路上を東京まで、少なくとも新橋まで延長できないものか。浜松町のモノレールとJRの不便な乗り換え口を荷物を抱えて通る度に、モノレールが新橋まで行けば銀座線や大江戸線、ゆりかもめなどへの乗り換えが楽になるのにと感じる。浜松町と新橋の間はJRの線路が何往復も平行して走っているのだから、モノレールの橋脚を立てる位の余地は充分あるのではないだろうか。
その他、羽田空港のアクセスでは、鉄道では極めて利便が悪い川崎市や府中など東京西部は、今やバス便に圧倒されているが、JR南武線の支線を改良して立川方面からの列車を直通させられないか。この問題は何の事はない、南武線から既存の東海道貨物線を通って、すでに羽田空港の下まで貨物の線路は延びているのである。空港敷地内で地上に出て、ターミナルに向かって旅客線を延伸すれば、大した建設コストもかからないのではないだろうか。
先般、お台場の東京テレポート駅から渋谷駅に行こうと思い、埼京線直通のりんかい線に乗車したら、わずか20分で渋谷に着いてびっくりしたものである。トンネルを掘ったりする建設技術は最近長足の進歩を遂げている様で、思わぬ新しい線路ができて、海の向こうだと思っていた地区と既存の繁華街の距離感が一挙に縮まるのである。素人の勝手な夢も、何年かしたら実現していたなんて事が起こるかもしれない。
Bulk carrier 2011-01-14 23:17:39
まろんの父さん
身にあまるコメントをありがとうございます。公共輸送機関は確かに地方財政や都市の規模に影響される事が多い事と思います。東京にいるとなかなか実感できない視点を教えて頂き、なるほどそうだなあと感じます。
私の知っているアメリカの西海岸では、ロスやサンフランシスコ、シアトルなどより早くオレゴン州ポートランドがストリート・カーを復活させ、各都市が後を追ってライトレイル(ストリート・カー)を研究・導入しました。アメリカと日本では自治体のあり方が大きく違いますが、札幌などの都市は自動車社会という点ではアメリカ的な感じではないでしょうか。もみじマークをつけた自家用車の増加を見るにつけ、人口の高齢化に伴い、もう一度、公共輸送機関の存在とその経済性(採算性)が見直されても良いのではないかと考えています。
まろんの父 2011-01-13 23:25:02
Bulkcarrier様 小生のコメントを踏まえたお考えをご開示くださり、ありがとうございます。Bulkcarrier様のブログの内容には、いつもわが意を得たりの感を抱かせていただいており、本来は自分でブログ等で考えを表すべきとも思いつつ、気ままにコメントさせていただいております。今回のお考えを読ませていただくと、21世紀型の公共交通機関の在り方の一つが見えるような気がいたします。先日のコメントに投資と書かせていただきましたが、やはり首都圏は利用者の多さに加えて、当然自治体としての税収のケタが違うため、北海道や札幌市におけるインフラの整備に対する予算とは比較しようもないことを改めて考えさせられます。学校を出てから10年余、東京と海外で生活した後、地元に戻りますと、一層その感は強いのですが、慣れてしまうと、今のままではいけないと思う感性そのものが鈍っているようにも思います。まして、地元を離れない若者が増えてもいる状況では、どうやって社会を良い方向に向かわせるかを学ぶきっかけもつかみづらいのが、地方都市の悩みかも知れません。今後とも、いろいろなお考えなどを拝読させていただきたく、よろしくお願いいたします。
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