カヤックでマングローブ探検
今回の石垣旅行では、カヤックを操ってさんご礁の海岸やマングローブの林を体験するツアーに参加した。ガイド夫婦は地元の人かと思ったら、こういう仕事をしている人達に良くある例で東京出身者である。話を聞くと沖縄の海が好きでやってきた自然派の様だ。そういえば宿泊したホテルのボーイも、東京から石垣島に魅せられて移住して来たという事で、島の若者は外に行き、都会のエコ志向の若者が島にやって来るのだろう。
そのガイドさんの案内で、海に乗り出す前に2人乗りカヤックの漕ぎかたを、ちょっと練習する。以前、北海道の釧路川で2度ほどカヌーに乗った事があるので、今回も「楽勝・楽勝」などと思っていざ漕ぎ出してみたら、このカヤックは川下り用より平底で、漕ぎかたが難しい上に水がジャブジャブ入ってくる事に気づく。川下りは基本的に流れに身を任せれば下流に連れて行ってくれるが、海の上やマングローブの林の中は、自分で決めた方向に艇を向け一生懸命パドルを漕がなければならないのである。
その上、さんご礁の中の海は遠浅の箇所が多く、進路を正しく選ばないとすぐカヤックが座礁して、その度に一人が降りて引っ張って歩かねばならない。他の艇が先へ先へと進むのに、わがカヤックは幾度も座礁して遅れるので、同乗した妻は「ちゃんと進路通りに漕がないから、すぐ浅瀬に行くのよ」と私の漕ぎ方に文句を言い、私は「舳先に乗っているお前の体重が多いから、すぐ座礁するんだ」と新年早々、海の上で罵りあいである。かなり先を行っていたガイドさんが心配して近くの義妹に「あの艇は何かもめているようだけど見に戻った方がいいでしょうか 」「 いえ、あそこはいつもあんな感じだから放っておいて大丈夫です」と言われる始末。マングローブの林の中に漕ぎ入ると、行き止まりでカヤックがUターンできない場所もあって、そのまま広い場所までバックして漕がねばならないとあって、パドルさばきはなかなか難しい。
平底で手すりもないカヤックには、容赦なく水が入ってくるので、下半身はずくずくに濡れ、その上浅瀬でカヤックを押す際に、砂に足をとられて転んでしまった私は、全身ずぶ濡れである。亜熱帯といえどもこの日は気温も20度はなく、びしょびしょの衣服に震えながらのカヤック体験であった。それでも珊瑚の海では青いきれいな海蛇が泳いで行くのに出合い、この海蛇は猛毒だというガイドの説明にびっくりしたり、普段見る事がないマングローブの林の生態に感動したりと、本土では味わえない亜熱帯のお正月を楽しむ事ができた。
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