BERLITZ CRUISING 2011
ベルリッツ社の”CRUISING AND CRUISE SHIPS 2011"を25ドルでアマゾンから購入した。客船評論の第一人者であるダグラス・ワードが、26年にわたり世界中の客船を評価し格付けした本で、2008年度版に続き3年ぶりに買ったものである。この本の執筆にあたっては、ダグラス・ワード自身や彼のスタッフが実際にクルーズ船に訪船しているそうで、現に改装後の”にっぽん丸”が米国に寄港した際に、さっそくダグラス氏が視察に来た事が過日”世界の船旅”という番組で放送されていた。
ベルリッツ本のレーティングは、SHIP / ACCOMODATION / FOOD / SERVICE / ENTERTAINMENT /CRUISE の項目別の得点を合計し、満点2000点に対して各船が何点の評価を得るかを比較している。レーティングの他、各船の来歴・諸元データや「静かに旅を楽しみたい人には、この船をお薦めできない」などと解説も記載されていて、格づけや評価本が好きなアメリカ人気質ならこの本を結構重宝するだろうという感じがする。日本人に人気のハワイ諸島クルーズの”プライド・オブ・アメリカ”などは、「良いサービスを期待するな」「乗船は忍耐の練習だと心得よ」「悪い見本」などと記載され、同号にそんなに悪い印象をもたなかった鈍感な私などは「そこまで言うかよ」と驚くのである。
2008年度版と2011年度版を比較すると、各船の論評は大体同じものが使われている事に気づくが、経年劣化にともなって船体についてのレーティングは適宜得点が減少しているフネが多い。またサービス地域が変わったりなど大きく変化があった船は、かなり大幅に得点が見直されている処をみると、結構マジメに編纂されていると感じる。因みに”にっぽん丸”は、改装前(2008)が1390点だったが、最新号ではすべての項目で得点がアップして1503点となっている。巻末のサマリーによると、大型船でのトップは今年も”QE2”、 中型船では”クリスタル・セレニティ”と変わらず、日本船は”飛鳥Ⅱ”が1685点と世界の中型船の中で第3位、”ぱしふぃっくびいなす”は1548点で中型船の11位、にっぽん丸も小型船15位と健闘している。
ベルリッツ本は、格付けの他クルーズに関するチップ(小話)や動向、メジャークルーズキャリアーの解説など、アメリカ人を対象に書かれているものの、我々が読んでも結構楽しい本である。私自身はミシュランのレストランガイドなどの星の数にはほとんど興味がないし、このベルリッツ本が私の感覚と必ずしも一致しているとも考えていない。しかし海外クルーズに出かけて、寄港地で我々の知らない世界の客船に出会った時に、この本が手許にあれば一目でその船の詳細がわかって、クルーズの楽しみもまた増えようというものである。
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