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2010年11月22日 (月)

新卒就職氷河期

千葉県にある宗教系私立大学で常務理事をしている友人がいる。そこはいわゆる有名私大ではなく、学校を経営する彼の苦労を時々聞くと、少子化によって大学も生き残りに大変な様である。その苦労の一つに学生の就職の問題があると、彼は顔をしかめて話しをする。「求人は結構あるのだが、学生が有名企業や大企業志向でなかなか就職が決まらない。もっと中小企業にチャレンジしたら、と学校が奨めてもなかなか学生がわからない」とこぼす。

大学生の就職率が57.6%とかで「シュウカツ」が社会的に大きな問題になっている様だが、一方新卒の求人も100%以上あって、職業や会社の規模さえ選ばなければどこかへ就職できるはず、とニュースが報じている通りである。とするとミスマッチで多くの学生が無駄なエネルギーを費やしている事になる訳なのだが、彼らには社会の現実に初めて向き合って良い勉強になる一方、本業の学問の時間が削られるなど問題も多いようだ。

我々の頃は就職試験で会社に行って、多くの学生が控え室で待たされていても、飛び込みで入ってきた東大の学生だけは、「あ、東大の学生さんね、それでは別室にどうぞ」とまったく特別扱いで、さすが東大は違うと偉く感心したものであった。現在はそんな露骨な差別もないのだろうが、逆に『表向き』は平等主義に惑わされて就活を続ける学生が、実際には門前払いを受け続けているとすれば、それは社会全体では大きな不幸というものでないだろうか。

そもそも私が大学生だった昭和40年代は大学進学率は10数パーセントだったのだが、約半数が大学に進学する最近の世の中で、卒業生すべてを吸収するいわゆる大卒の仕事が、そんなにある筈はない。高等教育を多くの子供が受ける機会がある事は誠に喜ばしい事だが、大学生としての資質や能力に疑問を持たれる様な学生も含めて、60%近くが就職できている現実を見ると、新卒の就活が大騒ぎされるほどの事なのかなあ、と疑問を感じてしまう。

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