« 仏果山 | トップページ | カーニバル・スプレンダー号の火災 »

2010年11月 8日 (月)

世界の宗教事件史

河出ブックスの新刊「教養としての世界宗教事件史」島田裕己著を読んだ。この前、東京のお台場ビーチで、アラブ系の男性数人が夕方ベンチの上に座り、夕陽の方向(多分メッカの方)に向かって礼拝をするのを見て、日本にも遂にイスラムの世界がやって来たかとびっくりしたものであるが、かねてからユダヤ教、キリスト教やイスラム教など一神教の独特の世界に興味を持っていたので、宗教がこれまでの歴史とどう関わりあっているのか、書店の店頭で新刊のこの本を見て興味を持ったのである。

この本はピラミッド建設やゾロアスター教の世界、一神教の誕生、十字軍、宗教改革から最近のイスラム革命まで、宗教と歴史の関わりを大胆かつ横断的に紹介しているのだが、一読してみると、現在の世界の様々な対立が、宗教にいかに根ざしているのか理解できて面白い。宗教の歴史と言えば一神教か多神教かの分類とともに、一元論(最終的に神の勝利を予言する世界観)か二元論(善と悪が並立する世界観)かの論争があって、「なぜ神があるのに悪がはびこるのか」という様な命題が、永い間議論されて来た事など、私の様な宗教の門外漢が知らなかった事実を教えてくれる。

この本によると、キリスト教と仏教は、世俗の価値より出家に意味を置く事、偶像崇拝や聖人崇拝をある程度認めて多神教的な側面を持つ事、穢れの概念をもたない事など、幾多の点でとても似ていて、世界の他の宗教とは一線を画すそうである。また近世以後、プロテスタント国で経済が発展し、カトリック国で経済が停滞した事などを知ると、宗教の意味や教えが経済にも深く結びついている事に驚く。中東のニュースを見るにも、西欧の美術を鑑賞するにも、宗教的な由来とその歴史がいかに大切なのか、本を読んで改めて考えさせられた。

« 仏果山 | トップページ | カーニバル・スプレンダー号の火災 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 仏果山 | トップページ | カーニバル・スプレンダー号の火災 »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ