慶東1回戦
東京六大学野球・秋のリーグ戦の開幕試合・慶應対東大1回戦を夏の日差しが残る神宮球場に見に行った。第2試合に早法戦というビッグカードがあるので、観客も結構入った中、試合は慶應が21安打・15得点の一方的展開で東大を圧倒した。勝敗の行方は早々に決まってしまったのだが、そんな日の楽しみは普段スターティング・ラインアップで出場しない控えの選手や新人選手が見られる事である。
後半、守備で出てきたのは日大三高出身の宮寺君。2浪しているので24才とチーム最年長である。甲子園にしばしば出場する名門の日大三高だが、彼は高校時代にレギュラー選手として甲子園には出場していない様だ。そんな彼が多分慶應で野球をやりたく初志貫徹、2浪して入学し上級生になり控えとはいえベンチ入りしている姿を見ると、陰ながら応援したくなってくる。慶應野球部の良さは有名選手と内部進学組、県立高校などからの受験組に浪人も混ざって切磋琢磨するところで、浪人選手が活躍する時は、チームが強い事が多い。そういえば今年の都市対抗で優勝した東芝の印出監督も、土浦日大高から2浪して慶應に入って大活躍した選手だった。ベンチでいつも溌剌と声を出し他の選手を鼓舞している宮寺君は、大勝の試合とは言え数少ないリーグ戦出場のチャンス、きっと一瞬一瞬に人生の輝きのを感じてプレイしているのだろうな、と微笑ましく観戦する。
8回からはマウンドに期待の一年生投手・白村君(慶應)があがる。彼を見たのは昨年のセンバツ甲子園での島根・開星高校戦以来だが、持病の腰痛も回復したのか元気が良い。マックス150キロの快速球が低めに決まり6人の打者に対し5三振と圧巻の投球にスタンドが湧いたのだった。相変わらず鶴の様に線の細い体格だが、大学4年間で筋力を増して順調に伸びて欲しいものである。その他甲子園で活躍した塾高組の控えの選手も次々交代で出場、一回り体が大きくなり大人の顔つきになった選手たちがプレーするのを楽しませてもらった。それにしても下級生の戦力は近年になく充実している様で、この後が楽しみになってくる。
夏の太陽の下で始まった秋のリーグ戦だが、週を重ねるにつれつるべ落としの秋の夕ぐれが早まり、そのうちセーターを着て観戦する日も出てくる事だろう。秋の暮れなずむ神宮外苑は風情があって私のお気に入りの場所の一つだが、負けた東大の選手もまきなおしてリーグ戦を盛り上げて欲しいものである。
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