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2010年8月21日 (土)

大陸の西から

ウエステルダム号は、英領カンジー島、アイルランド共和国の首都ダブリン、北アイルランドのベルファスト、スコットランドのグリノックと周遊し、今日はスコットランド沖に浮かぶスカイ島に入港する。スカイ島は地図上では英国の左上にある人口1万弱の島で、1745年国王に反旗を翻したチャールズ一世が、命からがら大陸へ亡命する際に足がかりにした場所だそうである。これまでロンドンには仕事などで何回か来た事もあるが、イングランド以外の小都市を回っていると、普段われわれが考えている国民国家イギリスとは違った国の成り立ちを肌で感じる。アイルランドやスコットランドのケルト人の末裔は、背格好も我々アジア人とさして違わないし、それぞれが歴史や民族的背景に大変な誇りを持っていて、ラグビーの各地域代表戦がなぜ五カ国対抗という名前で呼ばれるのか良くわかる気がしてくる。

ガンジー島からして「英国王室には従うが、英国議会には必ずしも従わない」のが伝統だそうで、アイルランドやスコットランドのケルト人の歴史、バイキングなどノルマン人の進入、カソリックとプロテスタントの根深い対立など幾多の相克を経て、現在のイギリスが成り立つまで、この国は血塗られた歴史を重ねて来ているのである。その点からすると縄文人と弥生人の平和的混交、シナとの適度な距離感や長い鎖国を経て近代に入った日本は、なんと平和な歴史を刻んでこれたのかと、改めて彼我の違いを認識する。各地のケルト人の遺跡や博物館で宗教の対立、王室の確執などの展示や資料を見るうち、したたかな歴史の上に成立する西欧諸国には、外交や安全保障面でやはり日本は敵わないのかと感じるのである。

この旅行中に、日本はGDPで中国に抜かれて世界第3位になったとBBCでも報道されている。覇権国家であるアメリカとは、広大な太平洋と東西冷戦という格好の地政上の特典を生かしてこれまで付き合ってこれたが、もう一方の覇権国家・中国がすぐ隣で急成長するにつけ、わが国は大変な時代に突入しつつあるのをあらためて感じる。政権が変わったとたんに、多くの国会議員を連れて朝貢外交をしているのんきな政治家達や、韓国に謝る事に意味があるというナイーブな首相を見るにつけ、この先一体わが国はどうなっていくのだろう、と大陸の西の端の島国から東の端の日本に思いをはせるのである。旅というのは、普段気づかない事を思い起こさせるという事で、やっぱりよいものだ。

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