フォースブリッジ
ウエステルダム号のエジンバラの入港地は市内から少し離れたフェリー乗り場近く、フォースブリッジというそれは立派な鉄道橋のたもとであった。それもそのはず、この橋はガイドブックにもエジンバラ名物として載っているほどで、カンチ・レバー(片もち式)のトラス構造 (三角型を基本にした構造で建造物の重さを柔軟に受け止める 方法)としては、完成当時世界一、現在でも世界第二位の長さだそうだ(東京ゲートブリッジも同じ構造)。驚くべき事はこの橋が完成したのが1890年3月(明治23年)で、わが国では伊予鉄道が日本で初の軽便鉄道を開通させたのが明治21年、箱根が越えられず東海道線が御殿場経由で沼津までやっと通じたのが明治22年だから、その頃にイギリスではこんな鉄道用の長大橋が造られていたのである
エジンバラの北に広がるフォース湾を横切るこの鉄道橋は長さ2530米、51000トンの鋼鉄を使って造られており搭の高さ104米・海面から鉄橋までは46米、線路は非電化だが複線で、今でも轟音をあげてひっきりなしに通勤のディーゼル列車(気動車)や長距離の客車列車が通過していく。アメリカの鉄道橋は概して簡便に造られている様で、いまだに橋脚に絡んだ脱線事故などが時々起こるのに対し、イギリスの橋脚はと見ると頑丈かつ立派で、さすが鉄道発祥の地と感心するとともに、日本もイギリスから鉄道を学んで良かったとフォース橋の威容を眼前に認識を新たにする。
今回は橋のたもとのDALMENY駅からEDINBURGH駅まで、スコットレイルの列車で往復してみたところ、いずれも時間通りで清潔な車内であった。このクルーズの最後にニューキャッスル・アポンタイン郊外でもメトロ(郊外電車)に乗って港から町の中心まで行ってみる機会があったが、田舎町に反して鉄道の設備や車両が整えられているだけでなく、保線状態も良く定時発車をしていて、僅かばかりの乗車時間ではあったが、英国伝統の鉄道技術はいまだ衰えていないとを感じたのである。
さてこの橋は建造されてから120年も経ち始終修理が行われているそうで、メンテナンスも大変なものだと想像するが、英国では"Painting the Forth Bridge"という言いまわしがあって、これはいつまでも終わらない作業の事を言うそうである。ちょうど「 シジフォスの石 」か「 賽の河原 」の英語版と云うニュアンスのようで、我々も停泊した船から、作業をしている保線・修繕の人を遠く望遠鏡でのぞめたのであった。世の中には”橋おたく”と云う人がいるらしいが、どうやらここは結構そういう”おたく”が世界中から集まってくる名所の様でもある。
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