M/V SAGA RUBY
ウェステルダム号が北アイルランドのベルファストに着岸すると、すぐ後ろに優雅な小型客船が停泊している。大きな船と小型船が並ぶと、普通は小さい方が貧弱に見えるものだが、この船は小柄な貴婦人のごとく粛々と停泊している。名前を見ると"SAGA RUBY"とあり、その優雅なシア・ライン(舷弧)とエンクローズされたキャビンから、北太西洋や北海の荒波を航海する為に造られた事が伺える。おもわずカメラを手に後ろの岸壁に写真を撮りに行く事にする。
それもそのはず"SAGA RUBY"はもともと1973年に就航したノルウエイ船であったが、キュナードが買収して"CARONIA"と改名し大西洋でクルーズを展開、2005年に改装され現在はSAGA CRUISESというイギリス人向けのクルーズ会社で運航されているそうである。24,492トンの美しい客船は、650名の乗客/380名のクルーを乗せたプレミアム船だとベルリッツには紹介されている。主に英国人を顧客とし、子供は乗せず、大型船があまり立ち寄らない古い英国を訪ね歩くオール・インクルーシブ料金のしっとりした船だと評されている。
アメリカ人にホテルの予約を取ってもらうと、近代的な大ホテルでなくクラシックな佇まいのファイアー・プレースがある様なインを取ってくれて、面食らう事が良くあるのだが、トラディショナルな雰囲気を好む西欧人は多く、この船の乗客もそんな人達であろうか。いずれにしてもカーニバル・RCI・NCLなど巨大資本傘下の近代船に我々の眼は捉われがちだが、世界には自国客用や特殊なトレードに特化した多くのクルーズがある様だ。おっかなびっくり、そんな船に数泊紛れ込んでみたい気持ちもあるが、それは外国人が日本船にいきなり乗ってくる様なものだろうか?
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