オールド・エンジニア
ウエステルダム号は今日8月24日、イングランドのニューキャッスルに入港した。そういえばここは、家並みもどことなくアイルランドやスコットランドと違って見える気もする。本船が着岸した最寄りのタイン川ポートからニューキャッスル市街まではバスと郊外鉄道で30分ほどで、このクルーズ最後の寄港地をのんびり散策しながら楽しむ事とした。
そんな中、電車の車中でちょっと年配のオランダ人の夫人に席を譲ったところから、そのご主人と会話をすることになった。オランダでもかつては老人に席を譲ったものだが、最近はそんな事もなくなった、いや日本もそうだという話から、長崎・出島でオランダだけが交易を許されていた事、ワールドカップで日本がオランダに負けた話まで、結構日本とオランダの接点をつむいで行くだけで会話が弾む。
何でもご主人は、ホーランドアメリカラインの元エンジニアだったそうで、同社の本社はすでにアメリカに移ったが、ノスタルジックツアーで友人夫妻とともにウエステルダム号に乗船したのだと云う。本船には発電機が5台あってアジポットで推進するため俊敏な操船が可能だと、元エンジニアーとしてはちょっと鼻が高そうである。何でも5代目のロッテルダム号までは、タービン駆動で振動も少なかったがそれなりに人手がかかりメンテナンスも大変で、ディーゼル推進時代になってエンジニアーとしては楽になったと教えてくれる。
その元機関士は、航海の最後にて航走距離や燃料消費量が記載されたクルーズ・ログが配られるから、それを良く読んでくれと言っていた。ニューキャッスル港からは、デンマークのコペンハーゲン行きのフェリーが先ほど出港していったが、北海やバルト海でつながった西欧諸国は極東以上に一衣帯水、英国やノルウェーだけでなくオランダやドイツなど西欧諸国も昔からの伝統ある大海運国であった事を、彼の落ち着いた言葉から改めて思い起こしたのであった。
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