実話のジョーズ
日曜日の夜、暇にまかせてディスカバリーチャンネルを何となく見ていたら、「 実話のジョーズ 」という番組にはまってしまい、寝るに寝れず最後まで見てしまった。人食いザメを描いたスピルバーグの映画”ジョーズ”は実に良く出来た作品だと思っていたが、実はこの映画のモチーフとなる事件が実際にあった事を、このディスカバリーチャンネルで初めて知ったのだった。
テレビに刺激されアメリカのウイキペディアなどを検索してみると、1916年7月ニュージャージーでサメによって4人が死亡、1人が重傷という”人食いザメ事件”がおきている事がわかった。それによると、まず事件は7月1日にリゾート海岸で遊泳中の海水浴客一人がサメに襲われ死亡した事から始まる。その5日後に40マイル離れたリゾート地でホテルの従業員が遊泳中にサメに襲われ死亡、7月12日には30マイル北にあるマタワン川の河口から16マイルさかのぼった上流で、水遊び中の少年がサメに水中に引きずりこまれ死んでいる。さらに少年を捜索中の青年も多くの人に前でサメに襲われ亡くなり、そのサメは近くで水遊び中の別の少年にも大怪我を負わせて消えている。
これらの事件がおきるまでは海洋生物学者の間では、サメは温和な動物で温帯水域で人を襲うなどとは考えられないとされていたために、人食いザメ事件は全米中に大々的に報道され、映画で再現された様にリゾート海岸の経済は大打撃を受け、サメ退治に懸賞金が出たりと大変な一夏だったという。事件は7月14日に剥製業者の網にかかった凶暴なホオジロザメの胃の中から人のものと思われる骨が出てきて、このサメが一連の事件をおこした人食いザメとされたそうである。確かにその後は被害が出なくなったので、このホオジロザメが犯人という事で1916年の”人食いザメ事件”は落着したのだが、いまだに本当は1匹の凶暴ザメがひきおこしたのかどうか、マタワン川のサメはホオジロザメでなく、淡水域でも活動できるメジロザメではなかったかなど議論が尽きないのだそうだ。
私も海水浴をしていて岸から少し離れて泳いでいると、ふとえも云われぬ恐怖感にかられる事があるのだが、その恐さの一つがサメに襲われないかというのだから、映画”ジョーズ”も罪作りなものである。しかし実際にサメに襲われて命を落とす人はごくまれで、雷に打たれて死ぬ人よりはるかに少ないそうだから、サメを怖がるよりビーチに来るまでの交通事故でも心配した方が現実的であるらしい。さて人間は海というと開放的になって裸で入って行くが、そこは大自然の掟や海の生物が支配する世界であるという謙虚な気持ちが、水の事故を少なくする為に必要ではないだろうか。
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