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2010年6月12日 (土)

落合監督がブラウン監督にキレた

アメリカのベースボールでは自軍が大量リードを奪って勝敗の大勢が決した試合で、盗塁やバントをするのは相手に対する侮辱、スポーツマンシップに欠ける行為としてブーイングの対象になる。そんなプレーの後は、打者に向かってビーン・ボール(ブラッシュバックまたはノックダウンピッチ)が飛んで来る事が多い。一昨日の楽天・中日戦で、中日・大島が6点リードの8回にバント安打した場面、続く森野が初球をインハイに投げ込まれたそうである。落合監督は「あれで森野にぶつけられたら大乱闘になる」と一触即発をにおわせ、楽天ブラウン監督のアメリカ流を批難したと報道されている。

日本の野球では「勝負は下駄を履くまでわからない」と言われるほど、終盤になってもダメ押しにダメを押す様な攻撃をしばしば見られるが、同じルールで行うゲームでも、どうやら野球とベースボールには根本的な違いがあるようだ。私が理解するベースボールは”遊び”から発達したもので、今回のバント攻撃の様に遊びをつまらなくする行為にはブーイングが出る。球場も日本の様な体育施設として左右両翼対称なものでなく、町の空き地(サンドロット)から発展した四角いフィールドが基本、という事で大リーグのボールパークは変則的な形をしている。ベースボールは投手が投げた球を”打って楽しむ”ものと考えられてきたから、バントはせっかく打てるチャンスを相手に一死を与えるだけ、とあまり好まれない。

対して学校教育の一環として発展した野球は、練習で向上する要素が大きい守備から入るとされるのは、以前にも当ブログで書いたとおりである。さてかつては、毎年数試合は必ずMLBのゲームを観戦していた私は、言うまでもなくアメリカンスタイルのベースボールが好きである。ボールパークに横溢するがやがやと楽しい雰囲気や野次、セブンスイニングストレッチ、ピーナッツ売りの妙技、フィールドに目を移せばカーンというバット音で白球が、外野席(ブリーチャーズ)に向かってぐんぐん弧を描くさまや、当たってナンボとでも云うバッターの大きなスイング。ひとつひとつが遊び(プレイ)の要素を含んでいるアメリカ流のベースボールを見ると、昨日の楽天・中日の騒動は、べースボールの本質と云う点からブラウン監督を応援したくなったのであった。

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