隅田川ルネッサンス
江戸は隅田川の舟運で発展した。古い地図や歴史をみてみると、現在の東京の姿とは違う江戸がみられるのだが、江戸の都は今よりずっと多くの水路に覆われていて、縦横に巡らされた堀や運河によって町が発展していた事がわかる。鉄道が新橋まで開通するまでは、人形町から神田・浅草あたり、隅田川を中心として、今よりずっと地理的には東が江戸の物流や人の流れの中心だった。
新聞報道によると、東京都はその隅田川に設置されている9箇所ある防災用の船着き場を、民間に開放して屋形船や釣り船など舟遊びに開放すると云う。隅田川べりを歩いていると、防災用だけでなく警察などのボートの船着場もあって、かねてからこういう施設を遊覧船やボート遊びに使える様にしたらよいのに、と私は思っていたから、この東京都の発表はうれしい。
一方、日本はこれだけ長い海岸線を持つ海洋国家なのに、プレジャーボートやヨットの数が諸外国に比べ極端に少ないのはいつも奇異に感じる。海岸線や主要河川が国交省や農水省、自治体などの役人の管理下におかれ、個人が船で遊ぶと云う文化や環境が育って来なかったからだろう。隅田川の防災船着場は、個人のモーターボートや小さな業者の貸しボートなどに開放して、水辺のレジャーに大いに活用してほしいと思う。押上には新しくスカイツリーも建つが、これを起爆剤に、隅田川を中心として江戸の舟運文化に倣った新たな水辺のルネッサンスが起きないか、東京っ子の私などは期待してしまうのである。
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