慶應優勝
優勝をかけた慶早3回戦は、慶應が6対4で早稲田を下し、11シーズンぶり32回目の優勝をとげた。リーグ戦前の下馬評では早・明・法が戦力的に有力だったが、慶應もかなりやれるのではないかと、50年近くリーグ戦を観戦してきた私は期待も込めてひそかに予想していた。世間では打の慶應と云われているが、まず今季は投手陣の踏ん張りが優勝へ貢献したのではないかと思われる。昨年のエース・中林が抜けて若い投手陣のなかで、2年生・竹内(中京大中京)が緒戦の東大戦でノーヒット・ノーランで勝ち、それに勢いを得て他の投手陣がリーグ戦を通じて育っていった様である。13試合で34失点(1試合平均失点2.61)のピッチャー陣が大崩せず、試合の形を作ったのが、優勝への大きな力であったとたたえたい。明治・安田生命監督だった竹内氏を投手コーチに迎えた成果が現れた様だ。
看板の打の方は、江藤新監督の指導・采配のたまものと考える。後藤監督以後、3代続いた監督は、バントを多用するスモールベースボール・スタイルを貫いたが、今季は各選手とも自信をもって振りぬくバッティングが目立った。その結果、長打で勝てる様になったのが、今シーズン躍進の鍵であろう。最近の野球を見ていると、ランナーがいない場面でも一球ごとにベンチのサインを伺う打者が多く、観客席から「サインなどみるな、サインはホームランだけだ」などと野次が飛ぶ事もあるほどで、大学野球こそアメリカンスタイルの打ち勝つ野球を見たい私は、新監督の打撃指導に期待したい。
さてこれで、慶應は大学野球選手権に駒を進める事になる。最近は地方のリーグとの差がなくなり、大学日本一の栄冠はどこに輝くのか予断はゆるされない。慶應が最後に大学選手権に優勝したのは1987年で、当時のエース志村(桐蔭学園)や鈴木哲(福島)の活躍が今でも目に浮かぶ。職場などで後輩との会話に「君はあの志村世代かい?」などと、とかく野球の話題が出るのだが、今の学生(塾生)たちは将来 「 あのハンカチを打ち砕いて優勝した世代かい 」と職場で問われるに違いない。
今日は禁酒の予定であったが、久しぶりの母校の優勝に、うまいビールを楽しんだ夕べであった。
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