空港閉鎖
昨日の日曜日、やっと陽気も戻った東京・皇居周辺は、いつになく家族連れの西欧人が多い様だ。私は白人を見ればアメリカ人だというくらいしか思いつかないが、妻によるとドイツ語やフランス語があちこちで飛び交っているという。たしかにそう思って会話を聞いてみると、英語ではない言葉を喋る西欧の人がいつもよりも多い様だ。どうやらこれは、アイスランドの火山噴火の影響で足止めをくった、フランス・ドイツや北欧の人達ではあるまいか。天気は良いが帰国予定がたたないため、ブラブラと皇居見物でもしているかの様に見える。だとすると彼らはスケジュールも大幅に狂い、中には経済的にも不安を感じている人たちもいるのではないか、と同情する。
もし、我々がヨーロッパ旅行にでも行き、帰国する頃に日本行きが全便欠航、それも飛行再開の目処が立たない、といわれたらどうするだろうか。会社の出張なら正規の航空券を購入している場合もあって、ヨーロッパからとりあえず韓国インチョンや中国上海行きにのり、関釜フェリーや日中フェリーで帰国する手もあろうが、レジャーで格安航空券やマイレージ券だったら、手の打ちようもないかもしれない。クレジットカードの使用限度額一杯使ってしまったり、キャッシングできない貧乏学生だったら新しい宿泊先を探す事も困難かもしれない。ユースホステルや簡易宿なども受け入れに限界があろう。
こんな時は、”旅は道連れ・世は情け”という言葉を思い出す。もし東京で飛行機を待つ西欧人の身元さえたしかなら、例えば私が使っている都心の個人事務所で一夜を明かしてもらっても良いとも考える。冷暖房くらいはもちろん完備しているし、冷蔵庫や給湯・電子レンジやトイレが提供できる。床も事務用であるがカーペットだしソファも一応あるから、毛布さえ手配がつけば、快適とは云えないが4人家族程度なら数夜は凌げるだろう。シャワーも使えるし、必要ならインターネットで故国のニュースを見ても良い。もちろん金をとろうなんてケチな考えはない。週末なら終日、平日なら夜8時以降、翌朝8時頃まで仕事で使わない時間にゆっくりしてもらえるのではないか、とも思う。
大企業ならセキュリティの問題もあって、事務所を使ってもらうなどという事もできないだろうが、我々は仲間でやっている小さな事務所である。ビルの使用細則など難しい事は、この際後回しにして、こんなボランテイアなどはできないものだろうか。我々が同じ状況に外国で遭遇したら、やはり相当困るだろうと思うと、相身互い。成田空港で困り果てている旅人をニュースで見るにつけ、何とか代替案がでぬのかと胸が痛むのである。”義を見てせざるは勇なきなり”が日本人の心意気というものだ。
同時にヨーロッパで足止めを食っている多くの日本人の、早期の帰国をお祈りする。
« ノーヒット・ノーラン | トップページ | 環境問題 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 米イージス艦とコンテナ船の衝突(2017.06.20)
- 「おおすみ」事故報告書公表(2015.02.09)
- 朝日新聞「終わりの始まり」(2014.08.07)
- 「おおすみ」事故の報道(2014.01.17)
- 四半世紀ぶりの電話(2014.01.16)
« ノーヒット・ノーラン | トップページ | 環境問題 »
コメント